電気、電子回路に使われる部品の回路図記号

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■電気機器の回路図記号


導線 導線の交差
(接続しない)
導線の交差
(接続する)
導線の分岐 端子 スイッチ
接地 接地
(外箱に接続)
ヒューズ
交流電源 直流電源
(バッテリ)
電動機
交流電流計 直流電流計 発電機
電球 サーミスタ リレー
(単極単投式)




■電気、電子回路に使われる部品


ダイオード
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
D 汎用ダイオード

PINダイオード
ダイオード(以下のダイオードと名の付くもの)の基本特性は片方向のみに電流を通し、アノードからカソード(色帯がある方)へ流れる。

交流を直流にする(整流)。他入力保護、スイッチング、検波など。
小型で周波数特性が良い。
ZD ツェナ・ダイオード 定電圧を作る。普通のダイオードは逆方向には電流を流さないが、逆方向電圧(ツェナ電圧)がある電圧以上になると、逆方向電流にかかわらず常にほぼ一定電圧になり、電流がそれ以上増えても殆ど変化しない。

電源回路の基準電圧用、DCバイアス作成用。
一定の電圧降下特性を示す。
SD ショットキー・ダイオード 汎用のpn接合ダイオードとは全く異なり、半導体と金属の接合によるもの。

周波スイッチング、マイクロ波帯のミキサなど。
降下電圧が約0.2Vと低い。汎用ダイオードは約0.6V。
VD バリキャップ・ダイオード pn接合に逆方向電圧をかけると、端子間の容量が逆電圧の大きさによって変化するダイオード。

主にラジオなどの電子同調用。
可変容量は数pF~数100pF。
DB ダイオード・ブリッジ 交流電源を直流電源にするために4個の整流ダイオードが1つにまとめられている。

単相、三相用があり、モジュール化されたものや、耐電圧、電流容量によって多くの種類がある。


コンデンサ
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
C コンデンサ コンデンサ(以下のコンデンサと名の付くもの)は直流の場合、電気を貯める働きをして、交流の場合、周波数により抵抗値の変わるリアクタンスとしてとして働く。

電気の貯められる量を静電容量といい、単位はF(ファラッド)を使う。
小型の同調回路用で容量が小さい。セラミック・コンデンサが多く使われ単位はpF(ピコ・ファラッド)。
C(BC) バイパス・コンデンサ 電源やグランドを安定させICなどの誤動作を無くす。

高周波バイパス用で、セラミック・コンデンサが多く使われ、単位はμF(マイクロ・ファラッド)。
C(CC) 電解コンデンサ 低周波バイパス用で、直流回路の電源フイルタ、平滑、交流回路のカップリング、フィルタとして使う。。

極性があり、リードが長い方がプラス側である。
また、色帯があるほうがマイナス側である。
小型で容量が大きいが、耐電圧に注意する。




トランジスタ、電解効果トランジスタ
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
NPN NPN型トランジスタ トランジスタは全て接合型でNPN型とPNP型があり、電流を増幅する働きをし、用途や特性により大変多くの種類がある。
トランジスタは、入力の電流で出力の電流を制御する。

端子はB(ベース)、C(コレクタ)、E(エミッタ)の3つで構成され、僅かなB(ベース)電流に対してC(コレクタ)からE(エミッタ)へ電流が大幅に増幅され流れる。

低周波から高周波まで特性が良く、リレーやソレノイド・コイルのドライブ回路、モータ制御、電源On/Off制御、信号増幅回路などに使う。同じように増幅作用があり、入力の電流で出力の電流を制御する。


PNP型は、NPN型と同じようにB(ベース)、C(コレクタ)、E(エミッタ)の3つの端子で構成されるが、電流の流れる向きがE(エミッタ)の矢印の向きと同じになり、全く逆方向になる。

PNP型は、NPN型と比べて然程周波数特性は良くない。
また、相補型回路用にNPN型とペアで使用。
PNP PNP型トランジスタ
JFET N 接合型FET
Nチャンネル
接合型は、入力ゲートが半導体の接合で構成されていて、トランジスタ同様に増幅作用があるが、それよりは増幅率は少ない。
トランジスタが入力の電流で出力の電流を制御するのに対し、FET(電界効果トランジスタ)は入力の電圧で出力の電流を制御する。

FETの端子はG(ゲート)、D(ドレイン)、S(ソース)があり、G(ゲート)電圧により、D(ドレイン)からS(ソース)へ電流が流れる。
D(ドレイン)からS(ソース)への矢印の向きにより、N型とP型がある。

入力インピーダンスが非常に高く、On時のドレイン-ソース間抵抗が小さい。
超音波センサや周波数カウンタなどの微弱信号の増幅、高入力インピーダンスのアンプ用。

Pチャンネル型は相補型回路用にNチャンネル型とペアで使用。
JFET P 接合型FET
Pチャンネル
MOSFET N MOS型FET
Nチャンネル
シングル・ゲート
入力ゲートが酸化シリコン薄膜で絶縁されている構成のFETで、接合型同様に増幅作用があり、入力の電圧で出力の電流を制御する。

FETの端子は接合型同様G(ゲート)、D(ドレイン)、S(ソース)があり、G(ゲート)電圧により、D(ドレイン)からS(ソース)へ電流が流れる。
D(ドレイン)からS(ソース)への矢印の向きにより、N型とP型がある。

入力インピーダンスが接合型よりも高い。
On抵抗が小さいことから大電流制御用に使用。

Pチャンネル型は相補型回路用にNチャンネル型とペアで使用。
MOSFET P MOS型FET
Pチャンネル
シングル・ゲート
MOSFET N
DualGates
MOS型FET
Nチャンネル
デュアル・ゲート
シングル・ゲート同様に、入力ゲートが酸化シリコン薄膜で絶縁されている構成のFETで、接合型同様に増幅作用があり、入力の電圧で出力の電流を制御する。

FETの端子は接合型同様G(ゲート)、D(ドレイン)、S(ソース)があり、G(ゲート)電圧により、D(ドレイン)からS(ソース)へ電流が流れる。
D(ドレイン)からS(ソース)への矢印の向きにより、N型とP型がある。

シングル・ゲート同様入力インピーダンスが非常に高い。
同じ特徴のゲートが2つあることから、高周波のミキサーやゲイン・コントロール・アンプとして使用。
MOSFET P
DualGates
MOS型FET
Pチャンネル
デュアル・ゲート


抵抗
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
R 抵抗 抵抗は電圧と電流を制御するもので、カーボン皮膜からチップ型まで用途により多種類あり、定格電力内(1/2W、1/4W、1/8Wなど)で使用。

抵抗値はJISの値で標準値が決められ(E系列という)、例えば1~10の1桁の間を何等分するかによりE3、E6、E12、E24、E96などがある。
性能はカラーコード(色の付いた数本の線)で記され、抵抗値や誤差を表す。

直流から高周波まで、小電力から大電力まである。
単位はΩ(オーム)。
VR
POT
可変抵抗器

ボリューム

半固定抵抗器
抵抗値を変化させることが出来る抵抗器。
位置検出センサや位置調整ダイヤル、またオーディオなどの音量調節などに使用。
回転式やスライド式などがある。回転角は様々。

半固定抵抗はアンプのゲインなどの調整用などに使用。




光関連半導体
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
LED 発光ダイオード 電流を流すと発光する素子。
発光色は赤、黄、青、緑、白などがあり、用途によって多種類ある。
電流を流す量に比例して明るく光る。

リードが長い方(アノード)がプラス電源側で、抵抗を付けて使用。
セグメント表示器、電源表示光などに使用。
PD フォト・ダイオード ダイオードの接合部に光を当てると、電流が流れる素子。
発光ダイオードと逆の原理で光エネルギーにより電流が流れ、その流れる電流は光の強さに比例する。
感度は良いが出力が小さい。
(OPT) フォト・トランジスタ フォト・ダイオードと同じ原理で、トランジスタのB(ベース)に光を当てるとコレクタ電流が流れ、その流れる電流は光の強さに比例する。

感度が良く、フォト・ダイオードより出力は大きい。
カメラのセンサなどに使用。
(ISO) フォト・カプラ

フォト・インタラプタ
複数個の素子を一体化してモジュール化したもので、多くの形状がある。

フォト・カプラは、発光ダイオードとフォト・ダイオードまたはフォト・トランジスタを、向かい合わせに一体化して素子化したもの。
電気的に絶縁でき、リレーに代わりコンピュータと外部機器の接続などに使用。

フォト・インタラプタは、赤外線発光ダイオードとフォト・トランジスタを一つのケースに封じ込めたもの。
頭部がその発光と受光面になって、対象物からの反射光を検出する。
数㎜くらいの近距離しか反応しないため、ロボットの障害物検出、トレース線の検出などに使用。


特殊デバイス類
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
SCR サイリスタ(thyristor) サイリスタは、PNPNの4重構造で構成されA(アノード)、K(カソード)、G(ゲート…トリガ素子)の3端子を持つ半導体素子で大電力のOn/Offを制御する。
P型半導体からG(ゲート)端子を引き出しているものをPゲート、N型半導体からG(ゲート)端子を引き出しているものをNゲート。

G(ゲート)からK(カソード)へG(ゲート)電流を流すことにより、(A)アノード、(K)カソード間を導通させること出来る。一度Onになると,G(ゲート)電流を0にしてもA(アノード)、K(カソード)間に電流が流れ続け、OffするにはA(アノード)。K(カソード)間に流れる電流値を一定値以下にする必要がある。

数A程度のOn/Off制御はパワーFET、数十A以上のOn/Off制御はサイリスタを使用。
各電化製品のスッチングなど。


PUTもサイリスタ同様にPNPNの4重構造で構成され、A(アノード)、K(カソード)、G(ゲート)の3端子を持つ半導体素子だが、G(ゲート)に加えるパルスを生成するために使用。
A(アノード)よりG(ゲート)の電圧が高い場合は、AK間は不導通。
A(アノード)よりG(ゲート)の電圧が低い場合は、AK間は導通。

LEDの発振回路などに使用。
PUT
(programmable uni-juction transistor)
PUT
TRIAC トライアック トライアックは、NPNPNの5層構造で構成され、T1、T2、G(ゲート…トリガ素子)の3端子を持ち、2つのサイリスタを並列で互いに逆方向になるように接続した双方向サイリスタ。
G(ゲート)電流を与えるとOn状態になり、電流は順、逆双方向に流すことが出来て、交流、直流どちらも使える。

G(ゲート)にパルス信号を加えるとOn、トライアックの電圧が交流の1サイクルで0V(0A)になった時にOff(0Vクロス・スイッチ)。

主に半導体リレー、交流誘導負荷の制御などに使用。


ダイアックは、NPNの3層構造で構成され、T1、T2の2端子を持ち、互いに逆方向になるように2つのダイオードを接続したもので、交流電源から直接トリガ・パルス信号を作る。
トライアックのトリガ信号用で、ブレーク・ダウン電圧は±40~40V程度。

規定電圧(ブレーク・オーバー電圧:VBO)を超えた場合、導通状態になり端子間の電圧を低下させる双方向素子。

電子回路のサージ保護用、他、トライアックのトリガ信号として使い、交流電流の制御などに使用。
Diac ダイアック
ZNR バリスタ バリスタは、2つの電極を持ち、ある一定電圧で急に電流が流れ出す半導体素子。
両端子間の電圧が低い場合は電気抵抗が高く、一定電圧以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が低くなる。

半導体、ICの保護用で高電圧のパルス・ノイズ抑制、スパーク・キラーとして使用。




メカニカル・リレー、半導体リレー
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
RELAY_SPST
(single pole single throw)
単極単投式
メカニカル・リレー
電磁石(励磁コイル)と鉄片から成り、スイッチのOn/Off制御する基盤実装タイプで、
電磁石に電気が流れると鉄片が吸い寄せられてスイッチがOnする仕組み。

単極単投式は、1回路1接点で一番多く使われる。
2極単投式は、同じものが二つ入って同時に作動する2回路1接点のスイッチ。
双投式は、接点がaとbと切り替わる。


DC数VでDC数VやAC数100Vを制御。

回路の誤作動を防ぐ必要があり、一般に、Off時の励磁コイルの逆起電力対策で、コイル側にダイオードを並列に挿入。
他、AC100VのOn/Off時に接点の火花によるノイズ対策で、スパーク・キラーとしてバリスタなどを接点側に並列に挿入。

電球のOn/Off、外部機器全般の電源制御に使用。


<接点の例>
1a→1極のa接点…コイル通電時に閉じる
2a→2極のa接点…コイル通電時に閉じる
1b→1極のb接点…コイル通電時に開く
2c→2極のc接点…コイル通電時に2つの接点が切り替わる



半動体リレー

半動体リレーは発光ダイオード(LED)を内蔵し、サイリスタやトライアックなどの半動体を2次側に使ったもので、メカニカル・リレーより小型で性能が良い。
光の感知で電気的な絶縁をし、0Vクロス・スイッチ回路のものが多く、無接点なので火花が出ず、ノイズも限りなく出ないOn/Off制御が可能。
代表的なものはソリッド・ステート・リレー(SSR)やフォト・MOS・リレーである。

SSRはフォト・カプラと同じ原理で、LEDとトライアックを向かい合わせにしてモールドしたもの。
サイリスタは直流しかOn/Offできないが、トライアックは交流をOn/Offできる。
回路の誤作動を防ぐ必要があり、一般に、高電圧の雑音防止とトライアック保護のため、バリスタなどをスナバ回路と同様に挿入。

フォト・MOS・リレーもフォト・カプラと同じ原理で、LEDとフォト・セルを向かい合わせにしてモールドしたもの。
フォト・セルにはMOS型FETが内部で接続されている。

TTL、CMOS、トランジスタなどの制御回路からDCとACの制御、他、外部機器全般のAC制御に使用。
RELAY_DPST
(double pole single throw)
2極単投式
メカニカル・リレー
RELAY_SPDT
(single pole double throw)
単極双投式
メカニカル・リレー
RELAY_DPDT
(double pole double throw)
2極双投式
メカニカル・リレー




コイル、トランス
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
RFC
L
高周波チョーク・コイル
(RFC)
コイル
フェライト・コアに巻線をしたもので、高周波に対して抵抗の働きをするもの。
インダクタンスという単位で大きさを表し、使われる単位はH(ヘンリー)。
L 高周波同調コイル コイルとコンデンサを並列接続したもので、特定周波数に同調して信号を取り出すもの。

テレビやラジオの同調回路などに使用。
L バー・アンテナ・コイル コアを大きくして受信感度を良くしたもので、形や大きさは多種類ある。

バリアブル・コンデンサと並列接続し、同調周波数を可変できるようにしてラジオ電波などと同調させる。
IFT 中間周波数
同調用コイル
特定の中間周波数に合わせた同調用コイルで、特定周波数のみを通すもの。
L 電源用チョーク・コイル 大型のトロコダイル・コアに銅線を巻いたもので、低周波に対しても大きなインダクタンスを持つもの。
電源ノイズ防止用のフィルタ、平滑回路のフィルタなどに使用。
TR 電源トランス 複数のコイルを同じ磁心に巻いたもので電圧を変換させる。
(例)200V→100V、24V、12V、6V
スイッチング
電源用トランス
複数のコイルを同じ磁心に巻いたもので電圧を変化させる。
扱う周波数が高く、小型で効率の良いトロコダイル・コイルを使用。
パルス・トランス デジタル回路のデータ伝送経路で絶縁が必要な場合に使用。
オーディオ用トランス トランジスタ回路などで入出力のインピーダンスが大きく異なる場合に、伝達ロスを減らすためにインピーダンス変換用として使用。


発振素子
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
X セラミック振動子 一定周波数信号を出力する発振素子(振動子)で、高精度な周波数を得る。
RC発振回路よりはるかに優れている。

他、特定周波数のみ通過させるセラミック・フィルター素子がある。
XTAL 水晶振動子
(クリスタル振動子)
セラミック振動子より温度安定度が優れ、高精度の周波数を得る。
マイコンのクロック用などに使用。

他、特定周波数のみ通過させる水晶フィルター素子がある。


アナログIC
回路図記号 略号 名称 機能、特徴など
OP AMP オペ・アンプ 差動入力ピン(2,3)、出力ピン(1)、電源端子(4,11)で構成されるアナログIC。
アナログ信号入力を一定の比率で増幅して出力させる汎用アナログ増幅器。
電源端子は省略されることもある。
増幅率が非常に高い。
オフセット調整端子付きの汎用アナログ増幅器。
電源端子(4,7)は省略されることもある。
?(3TR) 固定出力型
3端子レギュレータ
入力、出力、GNDの3つの端子で構成されるアナログIC。
出力電圧を常に一定に保つ働きがあり、出力電流や入力電圧が変化しても安定した出力電圧を得る。

電源回路などに使用。
可変出力型
3端子レギュレータ
固定出力型とは違い、出力電圧が可変できる電圧レギュレータ。




■ゲートの回路図記号と機能


回路図記号 名称 論理値 真理値表
B Y
NOT
(Inverter)
0 - 1
1 - 0
AND 0 0 0
1 0 0
0 1 0
1 1 1
OR 0 0 0
1 0 1
0 1 1
1 1 1
NAND 0 0 1
1 0 1
0 1 1
1 1 0
NOR 0 0 1
1 0 0
0 1 0
1 1 0



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作成日:2007/9