今回は、クボタ・トラクタKT20のエンジン・オイルとエンジン・オイル・フィルタの交換について記載します。
当たり前ですが、エンジン・オイルを交換するには、自動車と同じで古いエンジン・オイルを抜く必要があります。
通常エンジン・オイルとは、エンジンのクランクケースに入っているオイルのことです。
エンジンは、「消耗品」なので、運転中は少なからず常に消耗しています。
そして、いつか寿命がきます。
その寿命を伸ばす役割を果たすのがエンジン・オイルです。
また、そのエンジン・オイルも「消耗品」なのです。
したがって定期的に交換する必要があります。
交換時期:オイル100時間毎、フィルタ200時間毎
必要工具と道具: 19mmメガネ・レンチ、エレメント脱着工具、オイル・ジョッキ、ウエス、廃油箱、パーツ・クリーナ、コンプレッサ(無くてもOK)
ボンネットを開け、左右のサイド・カバーを外します。
クランク・ケースのドレン・ボルトは、エンジン真下のオイル・パンに2箇所あります。
左右の両方のドレン・ボルト(頭部19㎜)を外します。
真っ黒のオイルが抜けてきます。
約4ℓ入るので、当然4ℓくらいは抜けてきます。
エンジン・オイル注入口のキャップを外しておくと排油の抜けがよくなりますが、後でオイル・フィルタを交換するので、そのままで構いません。
外したドレン・ボルトです。
銅パッキンが付いているので、無くさないように注意します。
余談ですが、トヨタとかのディーラでは、オイル交換の度にパッキンも必ず交換するとか…。
オイル・フィルタ回りを、コンプレッサを使ってエア吹き掃除しておきます。
きれいにしておくと後々、埃やゴミがオイル・フィルタ取付け面に付着するのを軽減できるからです。
コンプレッサが無い場合はどうしようも出来ないので、出来たらで構いません。
同じように、エンジン・オイル注入口回りと検油棒回りもエア吹き掃除してきれいにしておきます。
検油棒はエンジンの左側にあります。
これもコンプレッサが無い場合はどうしようも出来ないので、出来たらで構いません。
オイル・フィルタを外します。
オイル・フィルタの取り外しは手で行いますが、固い場合はエレメント脱着工具を使います。
オイル・フィルタは正ネジなので、時計の反対回りに回します。
ほんの少しだけ古いオイルが抜けるので、下に廃油箱を置いておきます。
オイル・フィルタ取付け面をパーツ・クリーナなどで洗浄したら、ウエスできれに拭いておきます。
外したオイル・フィルタと新品のオイル・フィルタは、共に同じ会社(ユニオン産業)のものです。
クボタ純正ではありませんが、問題ありません。
オイル・フィルタのシール部に、エンジン・オイルを薄く塗付します。
オイル・フィルタは手で確実に締め付けます。
正ネジなので時計回りに回します。
感覚的な事でいうなら、平均的な成人男性の8~9割の力でオイル・フィルタを回せるところまで回せば、ちょうどいい締め付け具合になります。
このオイル・フィルタの側面には、シール部が接触してから1回転回すと書かれていますが、このシール部が接触してからというのは、手で締めた時のシール部が接触した感覚で判断するものではありません。
手で締めた時のシール部が接触した感覚で判断するなら、実際には3/4回転くらいになります。
オイル・パンにドレン・ボルトを取り付けます。
手で取り付け、ある程度回したら、そこで再度エア吹き洗浄します。
パーツ・クリーナでも構いません。
この洗浄は、やってもやらなくてもどちらでもいいですが、気分の問題です。
最後は、メガネ・レンチ(又はボックス・レンチ)を使って程よく締めます。
検油棒はエンジンの左側にあります。
単純に検油穴に棒を入れてあるだけです。
エンジン・オイルを入れるので、検油棒は抜いておきます。
当たり前ですが、オイルを入れると、その分クランクケース内の空気が外へ出て行くので、その抜け穴を確保するという事です。
これでオイルが入り易くなります。
と言っても、注入口が大きいので然程変わりませんが…。
注入口のキャップを外します。
はめ込んであるだけなので、手で簡単に外せます。
エンジン・オイル(CD以上、10W-30)を入れます。
このトラクタのエンジン・オイル規定量は4.1ℓと少ないので、適当に4ℓ程入れます。
検油棒のレベル・ゲージ部分をウエスで拭き取ったら、検油棒を検油穴に奥までしっかり差し込みます。
検油棒を引き抜き、レベル・ゲージ上限線までオイルの付着があればOKです。
少なければオイルを追加します。
上限線を越えたところまでオイルの付着があれば入れ過ぎになりますが、実際には少しくらい入れ過ぎても問題ありません。
少しくらいとは上限線から5~6㎜くらい上です。
注入口のキャップをします。
ここで、一度エンジンを始動し数秒回して止め、4~5分待ってからもう一度検油棒を確認します。
足りない場合は、上限線のところまで追加します。
最後に、検油棒と注入口のキャップを確実に取り付け完了です。
基本は、レベル・ゲージの上限線と下限線の間に油面があれば問題ありませんが、きっちり上限線のところまでエンジン・オイルが入っている事が一番です。