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第35回:管理機タイヤのパンク修理について



今回は、管理機のチューブレス・タイヤのパンク修理についてです。

その中でも、ホイール(リム)が2つ割れするタイプのものについて記載します。


パンクと言っても、タイヤに釘などが刺さって起こるパンクではなく、長期間空気圧の点検をせずに使用した結果、タイヤのビードとホイールのリムの間に隙間が出来て空気が漏れるパンクです。

最悪はビードとリムの間に土が入り込んだり、リムのビード接合面が錆びたりすることです。

そうなると、空気を入れてもビードとリムの密着性が悪くなり空気漏れを起こします。


そのような状態になったチューブレス・タイヤを、金銭的負担が少なく且つ自分で確実に直せる方法は、チューブを入れてチューブ・タイヤに変えてしまうことです。

当たり前ですが、リムをきれにして新品のエア・バルブとチューブレス・タイヤに交換すれば確実に直ります。

しかし、タイヤはそのまま(若しくは減っまま)でパンクさえ直ればいいという人もいるでしょう。


そんな人のために、チューブレス・タイヤからチューブ・タイヤに変更する方法を説明していきます。

説明に使うチューブレス・タイヤは、ミツビシ管理機MMR46のものです。



必要工具と道具:  12㎜ボックス・レンチ、ニッパ、ウエス、中性洗剤、コンプレッサ、タイヤ・ゲージ、角材



◎チューブレス・タイヤの空気漏れ箇所を確認する方法

空気を入れた直後のタイヤを水槽の中に入れれば分かります。

空気が漏れていれば、漏れている箇所から連続的あるいは間欠的に気泡が出ます。


通常、チューブレス・タイヤのパンクは次の何れかです。



mmr46 チューブレス・タイヤ パンクビードが完全に落ち込んでいます。

空気を入れても1日で抜けてしまう症状です。

※左写真のみ他の管理機のタイヤです。

mmr46 チューブレス・タイヤ適当に(200kPaくらい)空気を入れてから、水槽の中でどこから漏れているか確認したところ、ビードとリムの間(接合面)から漏れていました。

ビードとリムの間に土が付着してるのでしょう。

mmr46 チューブレス・タイヤ ゴム・バルブ 切断最初に空気を抜きます。

ボルト・クリッパを使ってエア・バルブを切断します。

もちろん、ムシ(バルブ・コア)を外しても良いです。

mmr46 チューブレス・タイヤ ゴム・バルブ 切断後空気を抜くには、エア・バルブを切断したほうが早いです。

mmr46 チューブレス・タイヤ ビード 落とすサイド・ウォールを足で踏んでビードを落とします。

左写真のように、反対側のサイド・ウィールの下に角材を入れて踏み込むと落とし易いです。

mmr46 チューブレス・タイヤ ビード 全体 落とすビード全体を落とします。

ビードとリムに付いた土と発生してるかもしれない錆を落とすため、反対側のビードも落としておきます。



mmr46 チューブレス・タイヤ 2つ割りリム 固定ボルト 取り外し2つ割りリムの固定ボルトを全部(4本)外します。

mmr46 チューブレス・タイヤ 2つ割りリム 固定ボルト 取り外し後一度落としたビードが入ってしまっも、完全に入ってる訳ではないのですぐ落ちます。

mmr46 チューブレス・タイヤ 2つ割りリム 取り外し後エア・バルブがある外側のリムを外します。

ビードが落ちているので簡単に外れます。

チューブレス・タイヤなので、リムとリムの合わせ面にはゴム・パッキンが付いてます。

mmr46 チューブレス・タイヤ 2つ割りリム 取り外し後 ハブ側ハブがある内側のリムも外します。

mmr46 チューブレス・タイヤ 2つ割りリム エア・バルブ 残り 取り外しニッパを使い、エア・バルブの残りを外します。

mmr46 チューブレス・タイヤ 2つ割りリム ビード 接合面リムのビード接合面をウエスで拭いてきれいにします。

錆も酷くなく、状態は悪くないです。

mmr46 タイヤ 内部 掃除タイヤの内部をコンプレッサでエア吹きしてきれいにします。

mmr46 タイヤ ビード 汚れ 拭き取りビード全体に水で薄めた中性洗剤をかけて、ウエス(雑巾)で付着している汚れを拭き取ります。

チューブ入りタイヤになるので、多少の汚れがあっても問題ありません。



mmr46 タイヤ チューブチューブは1,500円~2,000円くらいで手に入ります。

mmr46 タイヤ チューブ 向き 確認タイヤに対して、エア・バルブが取り付く向きの確認です。

mmr46 タイヤ チューブ 入れる向きの確認が出来たら、チューブをタイヤの中に入れます。

mmr46 タイヤ チューブ 2つ割りリム 取り付け前軽く空気を入れます。

こうする事でリムを取り付けてもチューブが挟まることはありません。

mmr46 タイヤ 2つ割りリム 片割れ(ハブ側) 取り付けリムの片割れ(ハブ側)を入れます。

一般的にリムの組み付け前は、ビード・ワックスや先程の水で薄めた中性洗剤をビードに塗りますが、新品タイヤではないので何も塗らなくても大丈夫です。

何も塗らなくてもビードは入ります。

mmr46 タイヤ 2つ割りリム 取り付け ボルト穴 合わせ外側のリムは、エア・バルブをバルブ穴から引き出して入れます。

そして、リムのボルト穴を合わせます。

折角なので、合わせ面のゴム・パッキンも入れておきます。

mmr46 タイヤ 2つ割りリム 固定ボルト 締め付け手でタイヤとリムを動かしてエア・バルブを真っ直ぐ外に向かせたら、固定ボルトを全て締め込みます。

対角線上にずらして締めていきます。

mmr46 タイヤ 適正空気圧空気を入れます。

リムとビードをしっかり密着させるため、250kPaまで空気を入れます。

その後、空気を抜いて使用時の適正空気圧である160kPaにします。

mmr46 チューブ・タイヤ エア・バルブ コア 空気漏れ 確認ムシから空気が漏れていないか、一応確認します。

手っ取り早くツバをつけて確認しましたが、膜の張りやすい石鹸水(先程の水で薄めた中性洗剤など)を使っても出来ます。

新品チューブなので大丈夫でしょう。

mmr46 チューブレス・タイヤ チューブ・タイヤ 変更後チューブ・タイヤに変更完了です。

ここまで説明した方法は、2つ割れするタイプのホイール全般に応用できます。



作成日:2014/6/13