今回は、管理機のチューブレス・タイヤのパンク修理についてです。
その中でも、ホイール(リム)が2つ割れするタイプのものについて記載します。
パンクと言っても、タイヤに釘などが刺さって起こるパンクではなく、長期間空気圧の点検をせずに使用した結果、タイヤのビードとホイールのリムの間に隙間が出来て空気が漏れるパンクです。
最悪はビードとリムの間に土が入り込んだり、リムのビード接合面が錆びたりすることです。
そうなると、空気を入れてもビードとリムの密着性が悪くなり空気漏れを起こします。
そのような状態になったチューブレス・タイヤを、金銭的負担が少なく且つ自分で確実に直せる方法は、チューブを入れてチューブ・タイヤに変えてしまうことです。
当たり前ですが、リムをきれにして新品のエア・バルブとチューブレス・タイヤに交換すれば確実に直ります。
しかし、タイヤはそのまま(若しくは減っまま)でパンクさえ直ればいいという人もいるでしょう。
そんな人のために、チューブレス・タイヤからチューブ・タイヤに変更する方法を説明していきます。
説明に使うチューブレス・タイヤは、ミツビシ管理機MMR46のものです。
必要工具と道具: 12㎜ボックス・レンチ、ニッパ、ウエス、中性洗剤、コンプレッサ、タイヤ・ゲージ、角材
◎チューブレス・タイヤの空気漏れ箇所を確認する方法
空気を入れた直後のタイヤを水槽の中に入れれば分かります。
空気が漏れていれば、漏れている箇所から連続的あるいは間欠的に気泡が出ます。
通常、チューブレス・タイヤのパンクは次の何れかです。
ビードが完全に落ち込んでいます。
空気を入れても1日で抜けてしまう症状です。
※左写真のみ他の管理機のタイヤです。
適当に(200kPaくらい)空気を入れてから、水槽の中でどこから漏れているか確認したところ、ビードとリムの間(接合面)から漏れていました。
ビードとリムの間に土が付着してるのでしょう。
最初に空気を抜きます。
ボルト・クリッパを使ってエア・バルブを切断します。
もちろん、ムシ(バルブ・コア)を外しても良いです。
サイド・ウォールを足で踏んでビードを落とします。
左写真のように、反対側のサイド・ウィールの下に角材を入れて踏み込むと落とし易いです。
ビード全体を落とします。
ビードとリムに付いた土と発生してるかもしれない錆を落とすため、反対側のビードも落としておきます。
一度落としたビードが入ってしまっも、完全に入ってる訳ではないのですぐ落ちます。
エア・バルブがある外側のリムを外します。
ビードが落ちているので簡単に外れます。
チューブレス・タイヤなので、リムとリムの合わせ面にはゴム・パッキンが付いてます。
リムのビード接合面をウエスで拭いてきれいにします。
錆も酷くなく、状態は悪くないです。
ビード全体に水で薄めた中性洗剤をかけて、ウエス(雑巾)で付着している汚れを拭き取ります。
チューブ入りタイヤになるので、多少の汚れがあっても問題ありません。
軽く空気を入れます。
こうする事でリムを取り付けてもチューブが挟まることはありません。
リムの片割れ(ハブ側)を入れます。
一般的にリムの組み付け前は、ビード・ワックスや先程の水で薄めた中性洗剤をビードに塗りますが、新品タイヤではないので何も塗らなくても大丈夫です。
何も塗らなくてもビードは入ります。
外側のリムは、エア・バルブをバルブ穴から引き出して入れます。
そして、リムのボルト穴を合わせます。
折角なので、合わせ面のゴム・パッキンも入れておきます。
手でタイヤとリムを動かしてエア・バルブを真っ直ぐ外に向かせたら、固定ボルトを全て締め込みます。
対角線上にずらして締めていきます。
空気を入れます。
リムとビードをしっかり密着させるため、250kPaまで空気を入れます。
その後、空気を抜いて使用時の適正空気圧である160kPaにします。
ムシから空気が漏れていないか、一応確認します。
手っ取り早くツバをつけて確認しましたが、膜の張りやすい石鹸水(先程の水で薄めた中性洗剤など)を使っても出来ます。
新品チューブなので大丈夫でしょう。
チューブ・タイヤに変更完了です。
ここまで説明した方法は、2つ割れするタイプのホイール全般に応用できます。