耕運軸オイル漏れ(TR60)
クボタ管理機TR60で、耕運軸オイル漏れ修理です。
オイル漏れなので、オイル・シールの交換になります。
オイルが漏れているのは右側ですが、折角なので左右両方のオイル・シールを交換します。
まずは、高圧洗浄機で耕運軸回りを洗います。
オイル・シールを交換するので、ドレン・ボルト(頭部10㎜)を外しギヤ・オイルを抜いておきます。
車軸ピンを外すと爪軸が抜ける構造ですが、左側の爪軸が完全に膠着していて外れません。
左写真のように耕運軸をシノで固定して、爪軸をパイプ・レンチで回したりハンマで叩くなどして、まずは爪軸を回転させて膠着を取ろうと試みましたが、びくともせず駄目です。
全く外れそうになかったので、爪軸の外側からエンジン・オイルを入れます。
爪軸の中は泥が詰まっていたので、マイナス・ドライバでほじくり出し、コンプレッサでエア吹きしてからオイルを入れます。
オイルを浸み込ませて膠着を取ります。
ピン穴からもオイルを浸み込ませます。
再び爪軸を外そうと試みましたが、全く駄目です。
なかなかオイルが浸み込んでいかないので、この日の作業は諦めます。
ちなみに、酸素アセチレンを使って熱してもいいですが、やはり取り外すのは至難です。
熱による悪影響も心配です。
翌日、同様の方法で外そうと試みましたが、びくともしないので再びオイルを注し、このまま放置しておきます。
翌々日、まだ膠着が取れないので、さらにオイルを注し放置します。
かなりオイルが浸透してきたようです。
4日目にして、ようやく外れてきました。
爪軸の膠着は、どこのメーカーの管理機でも起こりえます。
爪軸をディスク・グラインダで切って外す方法もありますが、その場合は基本的に爪軸の交換になってしまいます。
日にちはかかりますが、このようなやり方で取り外せばいいんです。
カップ・ブラシ・グラインダで耕運軸回りの錆びを落としてから、オイル・シールを外します。
ツバ付きのオイル・シールなので簡単に外せます。
左右両方から外したオイル・シールです。
ツバ付きなので、取り外すのも取り付けるのもとても簡単です。
耕運軸のオイル・シールのリップ部が摺動する面を、#800~1000の耐水ペーパで磨きます。
潤滑剤を吹き付けておいて磨きます。
潤滑剤とコンプレッサでのエア吹きで、粉塵を含めた汚れをきれいに飛ばします。
オイル・シールを取り付けます。
ハンマを使い、対角線上にずらしながらツバの部分を打ち込みます。
左右両方のオイル・シールを取り付けたら、爪軸を取り付け、ミッション(ギヤ)・オイルを入れて完了です。