燃料を吸わない(GC-S500)
クボタ(斉藤)草刈機GC-S500で、プライマリ・ポンプを押しても燃料が上がってきません。
また、プライマリ・ポンプの動きも非常に重いです。
搭載エンジンはゼノア!?でしょうか、型式はGZ50N4です。
燃料フィルタを取り外してみると、表面の繊維質が硬化しています。
これでは燃料を吸い上げることが出来ません。
燃料ホース内はネチっとした古い燃料で詰まっています。
ホースの劣化も酷く、指で潰すとペタッと潰れたままになります。
燃料フィルタとホースは交換します。
キャブレータ内にも古い燃料が残ったままだと考えられるので、キャブレータも分解掃除します。
バタフライ・バルブ式のダイヤフラム・キャブレータです。
カバーを取り外して見ると、ダイヤフラム・メタリング(ダイヤフラム・メイン)が見事に硬化しています。
これでは燃料供給が上手くいかず、オーバ・フローの可能性もあるのでダイヤフラム・メタリングは交換します。
ダイヤフラム・メタリングは、カッタなどを使い切り離します。
分解して各穴にキャブレータ・クリーナを吹き付けます。
もう1つ重要なダイヤフラム・ポンプ(左写真、中央)は、硬化もなく問題ありませんでした。
ダイヤフラム・メタリングが取り付く側です。
ボディの左辺りにあるニードル・バルブは、大抵は取り外す必要はないですが、指でメタリング・レバーを押した時、バルブ密着面からキャブレータ・クリーナの液剤が通ることを必ず確認します。
とても小さなスプリングが取り付いているので、コンプレッサでエア吹き掃除する場合は飛ばさないように気を付けます。
ダイヤフラム・ポンプが取り付く側です。
殆ど詰まることはないですが、各穴にキャブレータ・クリーナを吹き付けて液剤が通ることを確認します。
コンプレッサでエア吹き掃除する場合は、インレット・スクリーン(左写真、ボディの左辺りの網)を飛ばさないように気を付けます。
新品の燃料ホースASSYと燃料フィルタです。
分解したキャブレータを組み付け、燃料ホースと共にエンジン側に取り付けます。
アイドリング始動タイプなので、まずは適当にスクリュ「L」を「H」より多めに開いてエンジン始動性を良くしておきます。
エンジンを始動してから本調整します。
中~高回転において、かぶらず排ガスの色がもっとも見えなくなる状態に調整します。
かぶり気味だとマフラから微量の燃料が出てきます。
アイドリング状態も安定するところで調整します。
ちなみに、この草刈機では「L」が2回転半くらい、「H」が1回転くらい開いた調整で安定しました。