前後進できない(SP850) / ミッション・ベルトの張り調整(WM626)
オーレック・スパイダ・モアSP850で、前後進のチェンジ・レバーをチェンジ出来ません。
後進位置から前進位置にギヤ・チェンジしようとすると、ギヤ鳴き音がしてチェンジ出来ません。
変速ワイヤと正逆(前後進)ワイヤの動きは問題なく、調整も大体取れています。
正逆切換アーム回りがどうなっているか見てみます。
頭部10㎜のボルトを4本外して、ミッション・ケースの外蓋を外します。
ギヤ・オイルが出ますが、とりあえず放っておきます。
ギヤの破損もありません。
前後進チェンジ・レバーを動かすと正逆切換アームが動いて、正逆ドッグ(ギヤ)はベベル・ギヤ内側凹内(ギヤ)に収まります。
前後進ともギヤの動きに問題はないです。
この状態でエンジンを始動してみると、アイドリング状態で回転してはいけないはずのベベル・ギヤが回転してしまいます。
つまり、アイドリング状態なのにクラッチが繋がっているということです。
これでは、ギヤ・チェンジしようとしても出来ませんね。
原因はクラッチと分かったので、ミッション・ケースからエンジンを分離します。
固定は頭部10㎜の長ボルト4本です。
やはり、クラッチ・スプリングが1箇所切れていました。
1箇所でも切れると、アイドリングでもクラッチ・シューは開いてクラッチが繋がってしまいます。
クラッチを外すので、Uナット(正ネジ)を緩めます。
共回りを防ぐため、ピストン・ストッパを使います。
自作工具のピストン・ストッパは、要らなくなったスパーク・プラグを加工したものです。
Uナットは完全に外さず、軸頭と面一くらいにしておきます。
そして、クラッチを手で持ち上げておいて、銅ハンマで軸頭を真っ直ぐ上から叩きます。
確実に上から真っ直ぐ叩かないと、ネジ部が曲がる可能性があります。
この方法でクラッチは簡単に外れましたが、外れない場合はやっかいです。
クラッチ・スプリングだけ交換出来ないので、遠心クラッチASSYの交換になります。
ついでに、Uナットも新品に交換しておきます。
これで、アイドリング状態でクラッチが繋がることはありません。
オーレック・ウイング・モアWM626で、ミッション・ベルトを張ります。
ベルト・カバーを外します。
見るからにミッション・ベルト(走行ベルト)が弛んでいます。
ミッション・ベルトは多少摩耗していますが、張ればまだ使えそうです。
インサイド・カバー、ミッション・ケース、フレームを同時に固定している1本の長ボルトとナットがあります。
左写真のように、その長ボルトとナットを緩めます。
左写真のように、フレームとミッション・ケースの間にバールを入れて隙間を広げます。
この隙間を広げることにより、ミッション・プーリとエンジン・プーリの間隔が広がります。
したがって、ミッション・ベルトを張ることができます。
インサイド・カバーとフレームのボルト穴は長穴になっているので、その分だけベルトが張れるようになっています。
軽く張っておきます。
適当に張れたら、長ボルトとナットを締めます。