後車軸のオイル漏れ(PA50D)
イセキ田植機PA50Dで、右の後車軸からのオイル漏れ修理です。
オイル・シールを交換する事で直ります。
通常は左右両方のオイル・シールを交換するのですが、諸事情で今回は漏れている右側だけを交換します。
左写真のように、左右の後車軸ケースの中間あたり、やや右寄りでジャッキ・アップします。
角材を入れているのは、上げ高さが欲しいからです。
オイル・シールを外します。
ハンマで叩いて、マイナス・ドライバの先端を斜めに打ち込みます。
極力、ケース側のオイル・シールが取り付く面を傷付けたくないので、オイル・シールを無理に外そうとせず、打ち込み箇所を何度も変えて少しずつ起こしていきます。
マイナス・ドライバを使い、左写真のようにスリーブを手前に引き出します。
マイナス・ドライバの先端で、車軸のスリーブが取り付く面を傷付けないように気を付けます。
マイナス・ドライバでオイル・シールを手前に引き出す時、テコの原理で支点になる縁の部分を少し傷めてしまいました。
外したドレン・ボルト、プラグ、オイル・シール、スリーブです。
ドレン・ボルトは左側にもあるので、今更ですがこれも外します。
傷付けて盛り上がってしまった縁部分を鑢で平らにします。
傷が入っていないところを削らず、盛り上がている箇所だけを慎重で削ります。
傷が入ってしまったところを中心に縁全体を、潤滑剤を吹き付けた#1000の耐水ペーパで磨きます。
ウエスでゴミや油分を拭き取ってからコンプレッサでエア吹き洗浄し、再度ウエスできれいに拭き上げます。
まず、スリーブを浅く入れます。
スリーブは、まだ奥まで打ち込みません。
そして左写真のように、リップ部全体にグリースを塗付してからオイル・シールを入れます。
オイル・シールがスリーブと重なった時、オイル・シールのシール・リップ部を押さえているバネ(裏側にある)が外れる恐れがあるので、必ずオイル・シールの裏側でバネが外れていないか確認します。
先にスリーブを奥まで打ち込んでしまうと、オイル・シールのシール・リップ部を押さえているバネが外れていないかどうかの確認が出来なくなります。
逆に、オイル・シールを取り付けた後にスリーブを取り付ける場合は、スリーブがオイル・シールのダスト・リップ部と重なる時、ダスト・リップ部が内側に捲れる恐れがあります。
どちらも確実に避けたいので、このように同時嵌め込みをしています。
念には念を入れて、オイル・シールの嵌め合い部に液体ガスケットを塗付しておきます。
無理のない外径の合う2種類の鉄パイプを使い、スリーブとオイル・シールを交互に少しづつ入れていきます。
余分な液体ガスケットをウエスで拭き取ったら、後輪を取り付けジャッキを外します。
そして、シール・テープを巻いてドレン・ボルトを取り付けます。
シール・テープの代わりに液体ガスケットでも構いません。
ケース合わせ面の液体ガスケットが乾く次の日に、給油口からギヤ・オイルを指定量入れ、プラグを取り付けて蓋をします。