田植機の足まわり5

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クボタ田植機SPJ400で、左の後車軸からのオイル漏れです。

オイル・シールを交換すれば直る症状です。

漏れているのは左側ですが、オイル・シールは左右両方とも交換します。

高圧洗浄機で後車軸ケース全体を洗った後、ドレン・ボルトを外し排油します。

ドレン・ボルト(頭部14㎜)は左、中、右の3箇所にあるので、全てを外します。

パッキンであるゴム付き座金を無くさないようにします。

左の後車軸ケースの根元あたりを馬ジャッキで少し持ち上げ、後輪の車軸ピンを止めている割りピンを外します。

機体のバランスを考え、左側だけ持ち上げ左側の修理を先に行います。

後輪を引き抜きます。

コンプレッサを使い、オイル・シール回りを軽くエア吹き洗浄します。

オイル・シールを外す前に、車軸全体をカップ・ブラシ・グラインダで磨いておきます。

左写真のように、ハンマを使いマイナス・ドライバの先端を金属環に向かって斜めに打ち込みます。

この金属環は、泥避け目的でオイル・シールの大気側に組み込まれているものです。

金属環を起こして外します。

左写真のように、ハンマを使いマイナス・ドライバの先端がオイル・シール嵌め合い部に入るように打ち込みます。

この時、深く打ち込み過ぎないように注意します。

理由は、車軸のオイル・シールのリップ部が摺動する面を傷付けたくないからです。

打ち込み箇所を変えて少しづつ起こしていきます。

深く打ち込み出来ない分、起こすとマイナス・ドライバの先端が外れ易く、外し難さがあります。

マイナス・ドライバを2つ使って外します。

何度も打ち込み箇所を変えて外すのに少し手間がかかりましたが、摺動面を傷付けるよりはマシです。

軸付きオイル・シールではないので、やはりというか、摺動面にはそれなりにスジ傷が入っています。

オイル・シールを起こして外す時、オイル・シールの嵌め合い部が収まる面の手前の縁の部分に、どうしても傷が少し入ってしまいます。

傷付いて盛り上がってしまった箇所だけを、鑢で削り平らにします。

アルミなので比較的簡単に修正できます。

潤滑剤を吹き付けた#1000の耐水ペーパで、車軸のオイル・シールのリップ部との摺動面のスジ傷を磨いて消します。

スジ傷を消すと言っても実際には不可能なので、なだらかにして目立たなくするという事です。

オイル・シールの交換修理は、こういった下処理が大事なんです。

この作業を疎かにしてはいけません。

この後、車軸とベアリングを潤滑剤で洗浄したら、コンプレッサを使ってのエア吹き洗浄もしておきます。

そして、オイル・シール嵌め合い部が取り付く面に付着している油分は、ウエスでしっかり拭き取っておきます。





新品のオイル・シールのリップ部にリチウム・グリースを塗付します。

車軸にオイル・シールを入れますが、まだ取り付けません。

オイル・シールの嵌め合い部にグリースが付いていない事を確認します。

油分が付いていたら、パーツ・クリーナを浸み込ませたウエスで拭き取ります。

オイル・シールの嵌め合い部全体に液体ガスケットを塗付します。

左写真で分かるように後車軸ケースが縦に割れるタイプなので、念のため液体ガスケットを塗っておくという事です。

オイル・シールを手で押し込みます。

斜にならないように丁寧に押し込みます。

オイル・シールの外径より僅かに小さい鉄パイプをあてがい、オイル・シールをハンマで奥まで打ち込みます。

余分な液体ガスケットをウエスで拭き取ります。

黒色を塗装をし、乾いたら後輪を取り付けます。

今度は右後輪を外し、同様の手順でオイル・シールを外します。

右側のオイル・シールは、比較的簡単に外れました。

新しいオイル・シールを取り付けたら、塗装して後輪を取り付け、馬ジャッキを外します。

最初に外した3つのドレン・ボルトを忘れずに取り付けておきます。

後日、液体ガスケットが乾いたら、ギヤ・オイルを入れるためにエア抜きボルトを外します。

給油口からギヤ・オイル(#80)を2.2ℓ入れます。

少しずつ入れないと溢れてきます。

ギヤ・オイルを入れ過ぎるとこのボルト穴から余剰分が溢れ出てきますが、このボルトを外しておかないと、ギヤ・オイルの入りが悪く時間がかかります。

適量を示すためのボルト穴ではないので、15~20分後に給油口を覗き、目視で軸が油に浸っている事を確認できればOKです。

後は、エア抜きボルトと給油栓であるゴム・キャップを取り付けて完了です。





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