エンジン異音(NZ215) / オイル・チェック・ランプ点灯(E2304)
日立トラクタNZ215(クボタGT21)で、エンジン異音修理です。
クランクシャフト・メタルが飛び出して、クランクシャフト・ギヤとオイル・ポンプ・ギヤの一部が破損していました。
メタルが外れた事により、クランクシャフトが僅かに芯振れを起こしたのでしょうか…。
クランクシャフトを取り外します。
エンジンとミッションを切り離す必要があります。
軸受け面に僅かな傷があったので、#1200の耐水ペーパでオイルを付けながら均等に磨いて無くします。
研磨とバランス取りは専門業者に頼みたいところですが、傷の具合と予算の都合でこうしました。
取り外したクランクシャフト・メタルは、多くの傷が付いています。
事の始まりは、オイル・センサが点灯したままからです。
メタルが外れた事により、オイル順路に正常な圧力がかからなくなり、オイルが回らなくなったためです。
新品のクランクシャフト・メタルです。
文字が彫ってあるほうが前面になります。
半分に分かれるコンロッド・メタルとは違い、単体ものです。
メタルはノーマル・サイズのものです。
クランクシャフト・メタルは、打ち込んであるだけです。
メタルの穴をシリンダ・ブロックのオイル通り穴に合わせて取り付けます。
当然、取り付けの際は、はめ合い部にエンジン・オイルを垂らしてから行います。
タイミング・ギヤとクランクシャフト・ギヤは、指定の噛み合い位置で取り付けます。
今回の故障原因は、やはり長期間エンジン・オイルとオイル・エレメントを換えなかった事が原因ですかな…。
日の本トラクタE2304で、オイル・チェック・ランプが点灯する症状です。
エンジン・オイル量は適正だったので、オイル・プレッシャ・スイッチ線を外しボディ・アースさせてみます。
この時、オイル・チェック・ランプが点灯したので回路は正常だということになります。
オイル・プレッシャ・スイッチを取り外します。
この状態でエンジン始動すると、すごい勢いでエンジン・オイルが噴き出してきます(2~3m)。
つまり、事実経過からしてオイル・ポンプは正常でオイル経路も正常だと分かります。
結果、オイル・プレッシャ・スイッチの故障です。
部品は供給不可です。
機械も古く、修理にお金をかけたくないという話だったので、たまたま在庫で持っていたネジ径とピッチの合う機械式のオイル・プレッシャ・スイッチで代用しました。
むしろ、部品は交換せず配線を絶縁して使ってもいいのでは…。
シール・テープを巻いて取り付けます。
スイッチ線はもう使わないので、車体に触れないようにビニール・テープを巻いて絶縁し、適当に固定しておきます。
エンジンを始動したらオイル圧がかかるので、正常を意味する青いパイプ!?が押し出されてきます。
しかし、サイド・カバーを取り付けたら全く見えないので、意味がないと承知しつつもこれで完了。