ラジエータの冷却水漏れ(TF23F) / エンジンがかかりそうでかからない(GB16)
イセキ・トラクタTF23Fで、ラジエータのコアから水が漏れています。
ラジエータを取り外す必要があるので、ドレン・ボルトを取り外し冷却水を抜きます。
ドレン・ボルトは、エンジン・フレームの右側にある白いプラスチックの蝶ボルトです。
ゴム・バンドを外しエア・クリーナをずらして、ファン・カバーの固定ボルト(頭部10㎜正ネジ)4本 と、左右の側板にあるラジエータの固定ボルト(頭部12㎜正ネジ)4本を取り外します。
循環ホース(アッパ・ホース、ロア・ホース大小)を取り外します。
固定バンドのボルト(ネジ)を十分に緩め、ウォータ・ポンプ・プライヤなどを使いバンドのへばり付きを取ります。
ロア・ホースは狭くて外し難いので、左写真のように大きいマイナス・ドライバの先端を使って、ホースを起こすなどして少しづつ抜いていきます。
ラジエータを取り外します。
ファン・カバーはエンジン側に倒しておきます。
コア交換した修理後のラジエータです。
見た目は新品みたいです。
ラジエータを取り付けます。
防塵カバーを入れたまま取り付けると、バッテリと接触してもフィンを傷つけずに行えると思います。
最後は、冷却水(LLC+水)を入れてエア抜きする通常の手順で完了です。
クボタ・トラクタGB16で、エンジンがかかりそうでかかりません。
具体的な症状は、セル・モータを回している時だけエンジンが「ブゥオーン」とかかるだけです。
燃料系のトラブルに思えそうですが、停止ソレノイドの故障に思えます。
通常、ディーゼル・エンジンで使われる停止ソレノイドは、停止ソレノイドが働かないと一切エンジンがかからないものなので、ある意味異質な症状です。
キーSWのON位置と始動位置の両方でコネクタ出力12Vをサーキット・テスタで確認出来たので、停止ソレノイドの故障確定です。
停止ソレノイドの固定ボルト(頭部10㎜)2本を外します。
停止ソレノイドを外した状態で、エンジンが始動できる事を確認出来たので、停止ソレノイドを一旦はめ込んでエンジンを停止させます。
接合面回りをきれいに拭き、下処理をします。
新品の停止ソレノイドを取り付け、エンジンの始動と停止が出来る事を確認出来ました。
ちなみに、このトラクタの停止ソレノイドは、キーONで「カチッ」と動作音が鳴らない(聞こえ難い)タイプです。
セル・モータを回した時だけエンジンがかかる症状になったのは、停止ソレノイド内で、キーSWがONと始動の位置の時に励磁される保持コイルが働いておらず、キーSWをON位置に戻した時に吸引コイルが戻り心棒が戻ってしまう(出てしまう)からでしょう。
数ヶ月後、再び同じ症状でエンジンがかからないとの事です。
前回、違和感を覚えながらも忙しいせいもあって、停止ソレノイドの動作確認等(サーキット・テスタで抵抗も確認もぜず)を怠って故障と簡単に断定してしまいましたが、間違っていました。
この症状で疑わしいのはスタータ・スイッチ(キーSW)なので、スタータ・スイッチを外して導通試験をしたのですが、サーキット・テスタ上では問題ありません。
しかし、ここに落とし穴がありました。
何回か導通試験していると、キーONの位置で僅かでもキーに触れると導通不良になる時があるのです。
つまり、内部接点が接触不良になっていたという事です。
スタータ・スイッチは新品に交換するしかありません。
スタータ・スイッチの接点は大電流をON/OFFするので、いくら耐圧があっても消耗していきます。
前回、最初に停止ソレノイド元のコネクタ出力12Vを確認出来て、その次に停止ソレノイドを交換してエンジンがかかってしまったのは偶々で、その時は接触不良の症状が出なかっただけという事ですね。