燃料漏れ(F20D) / 冷却水漏れ(NX220)
ヤンマー・トラクタF20Dで、燃料漏れです。
サイド・カバーとサイド・アンダ・カバーを外します。
高圧洗浄機で油汚れ等を落としたら、コンプレッサでエア吹きして水気を飛ばします。
エンジンが停止した状態で燃料は漏れてきません。
噴射(インジェクション)ポンプには、燃料を供給するための燃料ホースが継手を介して接続されていますが、エンジンを始動すると、その継手回りから燃料が漏れてきます。
通常、燃料ホースが破れて燃料漏れする事が多いのですが、今回は単に継手を固定しているボルト(兼エア抜きバルブ)が緩んでいただけです。
そのまま固定ボルトを締め付ければ直りますが、高圧洗浄機で洗ってしまったので、固定ボルトをさらに緩めて接合面(パッキン含む)回りを潤滑材で洗浄しておきます。
燃料ポンプの手動供給レバーを指で上下させて、燃料を送っての洗浄でも構いません。
継手がつられ回りしないように、左写真のように継手をを押えながら固定ボルトを締め付けます。
この固定ボルトはエア抜き弁を兼ねたものなので、当たり前ですがスプリング奥の6角ボルトに工具をかけます。
古いトラクタということもあり、燃料ホースの硬化や亀裂がないか確認してみると、僅かですが亀裂を見つけたので、これを機に交換しておきます。
燃料コックを閉じたら、ホース・バンドを外し燃料ホースを外します。
ホーム・センタなどでメータ売りされているメッシュ保護された燃料ホースを使いますが、これは比較的安価で丈夫なものです。
左写真では内径が随分違うように見えますが、実物は少し小さいだけで適合する燃料ホースです。
ホース・バンドはそのまま使いますが、ネジを緩めバンドを目一杯開いてからラジオ・ペンジで形を修正しないといけません。
燃料ホースは、外したものと同じ長さに切断して取り付けます。
左写真を見て分かると思いますが、無理なく取り付いています。
燃料フィルタは真っ黒に汚れています。
ストレーナ・カップのOリングも潰れています。
燃料フィルタは要交換レベルですが、今回はコンプレッサでエア吹き掃除です。
燃料漏れすると嫌なので、Oリングだけ交換しておきます。
燃料ホースは、燃料ポンプから噴射ポンプまでが比較的傷む傾向にあるので、燃料ポンプと燃料コック(フィルタ)間の燃料ホースも交換する事にします。
後は、ディーゼル・エンジン特有のエア抜きをするので、燃料コックを開いて、そのすぐ上にあるエア抜きボルトを指で押えたままにします。
この時代のトラクタは手動でエア抜きしなければいけません。
燃料コックのエア抜きボルトを指で押えた状態、つまりエア抜きバルブが開いた状態で、燃料ポンプの手動供給レバーを指で上下させて燃料を送ります。
燃料コックのエア抜きバルブからエアが抜けて、ストレーナ・カップ内に燃料が落ち始めます。
ストレーナ・カップ内の燃料が一杯になったら、燃料コックのエア抜きボルトから指を離します。
そして、同じように噴射ポンプ側のエア抜きボルトを押えたまま、燃料ポンプの手動供給レバーを上下させて燃料を送り、噴射ポンプの燃料吸込み口でエアを抜きます。
エア抜きはこれで終わりです。
エンジンが調子よく始動し、全回転域でもたつかない事を確認して完了です。
日の本トラクタNX220(クボタGL220)で、右側のサイド・カバーの下あたりに水が漏れてきます。
フロント・グリルとサイド・カバーを外し、フロントとサイドのアンダ・カバーを外します。
ラジエータ(ウォータ)・ホース回りに水漏れを示唆する赤錆が付いています。
LLCが入った冷却水は漏れて無くなり、しばらくの間は水を補給しながら使っていたのでしょう。
この状態でエンジンを始動し、ラジエータ・ホースからの水漏れを確認出来たので、ラジエータ・ホースを交換します。
ホース・バンドを緩め、ラジエータ・ホースを外します。
ラジエータ・ホースをプライヤで軽く掴んでグイグイ回し、へばりつきを取ってから引き抜きます。
ラジエータ側も同じようにして外しますが、強く掴み過ぎるとホース差込口が変形するので注意します。
やはり、エンジン側から赤錆混じりの水が出てくるので、外したラジエータ・ホースを仮付けし、ラジエータの給水口に水道ホースを差し込み水を流し続けます。
長靴に履き替え、エンジン側のラジエータ・ホースを外して排水、仮付けして止水を赤錆が出なくなるまで続けます。
この作業は、エンジンをかけた状態で行ったほうが効率よく赤錆が流れ落ちますね。
交換するラジエータ・ホースは曲がり形状なので、当然ながら純正部品が必要になります。
折角なので、サブ・タンクも外して中をきれいに洗浄しておきます。
後は、サブ・タンクと新品のラジエータ・ホースを取り付けてから、冷却水を入れエア抜きして完了です。