ラジエータの冷却水漏れ(TA235)
イセキ・トラクタTA235で、ラジエータからの冷却水漏れです。
サイド・カバーを外して確認してみると、ラジエータ・コアから漏れているようです。
ウォータ・ポンプからの水漏れとファン軸のガタツキがない事を確認出来たので、ラジエータを外しにかかります。
前面カバーを外します。
カバー正面にある2つのピンを、マイナス・ドライバで回すとロックが外れます。
上部カバーを外します。
上部カバーは、頭部12㎜のボルトを6本で固定されています。
エア・クリーナ外します。
エア・クリーナ自体は頭部12㎜のボルト4本で固定されているだけですが、インテーク・パイプから外すので、ホース・バンドを外しインテーク・パイプを外します。
ラジエータ側面にある燃料フィルタの固定金具を外します。
頭部12㎜のボルトとナットを外し固定金具を外すと、燃料フィルタは、燃料ホースだけが繋がった状態で宙ぶらりんになります。
また、ラジエータを固定している上部フレーム金具を全て外します。
マフラからエキゾースト・パイプを外します。
このように、ラジエータを外すのに障害になるものは全て外していくだけです。
ラジエータのドレン・ホースを外すので、プラス・ドライバを使いホース・バンドを緩めます。
手でドレン・ホースを外します。
プライヤを使って外しても良いですが、その場合はホース差込口を潰さないように軽く掴みます。
次は、ラジエータ・ホースを外すのでバッテリを外します。
ラジエータ・ホースは、ラジエータ側だけを外します。
ロア・タンク側のラジエータ・ホースは、ウォータ・ポンプ側を先に外しておいて、後はラジエータを取り外してから外すという手順もありますが、ウォータ・ポンプ側は、ホース・バンドの増し締めはしますが外す事はしません。
古いトラクタの修理あるあるですが、ウォータ・ポンプ側のラジエータ・ホースを外すと、ウォータ・ポンプ側のホースとの嵌め合い面が腐食していて、組み付けた後にそこから冷却水が漏れるなんて事です。
もちろん、そうなったとしても対応策はありますが、古いトラクタという事もあり修理代を極力抑えたいとの依頼なので、余計なリスクは負いません。
ホース・バンドがラジエータ・ホースにへばり付いています。
左写真のように、締め付けボルトだけを先に外しておきます。
へばり付いたホース・バンドを外し、ラジエータ・ホースを手でグイグイ回して引き抜きます。
アッパ・タンク側のラジエータ・ホースも同様の手順で外します。
ラジエータを固定している残りの固定ナット2本(頭部12㎜)を外します。
右側は、ラジエータ・ホースの止めバンドとの兼用になっています。
ファン・カバーを固定している頭部10㎜の固定ボルト4本も外します。
ラジエータを引き上げて取り外します。
後はラジエータ屋さんに修理に出し、返ってくるのを待ちます。
ラジエータ・ホースとエア吸入口にゴミが入らないように、軍手でいいので被せておきます。
ついでにファン・ベルトを張っておきます。
ラジエータを取り付けます。
カバー以外の部品を組み付け終えたら、ラジエータの給水口から冷却水を入れます。
途中、手でラジエータ・ホースを数回揉んだりして冷却水を口元一杯まで入れたら、エンジンを始動し、2000回転くらいでエアが抜けるまで10~15分くらい(外気温による)放置します。
何回かアクセルを目一杯踏み込んでエア抜きを促し、水面が下がったら補水する、所謂通常の冷却経路のエア抜き作業です。
エアが抜けて冷却水が溢れ出してきたら、エンジンは停止せず、その流れでラジエータ・キャップを締めて蓋をします。
ラジエータ・ホースなどから冷却水が漏れていないか確認が必要なので、さらに20~30分エンジンをかけたままにしておきます。
サブ・タンクが無いタイプなので、透明のホースからは左写真のように冷却水が少し出ます。
この透明のホースから出る冷却水は、ラジエータ内の冷却水が一定量になったら止まります。
エンジンを停止してから1時間くらい放置し、ラジエータ・キャップを外し冷却水量を確認します。
サブ・タンクが無いタイプなので、給水口より少し低い位置に水面があればOKです。
仮にまた口元一杯まで補水しても、エンジンをある程度回していれば、一定量になるまで水が出てそこで落ち着きます。