切れ角センサ故障(L300D)
クボタ・トラクタL300Dで、直進時、急に前輪のどちらかが早く回転します。
倍速を切るとこの症状は出ないので、切れ角センサの不具合による誤作動で、ハンドルを切ってないのに倍速が働いてしまうと予測できます。
運転作業中はメータ・パネルに何のエラー表示も出ませんが、エンジンを止めて自己診断機能を使ってみると、やはり「切れ角センサ」と表示します。
切れ角センサの交換になるので、ボンネットを開けサイド・カバーを外します。
ピットマン・アームから、切れ角センサの作動ロッドを外します。
ラジオ・ペンチで割りピンと平座を外すだけです。
切れ角センサを外すには、先にマフラを外す必要があります。
マフラを固定している頭部12㎜のボルト4本と、パイプを固定している同径のボルト1本を外します。
頭部10㎜の固定ボルト2本を外し、切れ角センサを取付板ごと外します。
左写真で分かるように切れ角センサは深いところにあるので、エクステンションバーでソケットを延長して固定ボルトを外します。
切れ角センサは、作動ロッドが付いた状態で外れてきます。
カプラが付いてくるので、これを外します。
一応キーSWをONにし、両端間でDC5Vの電圧が出力されているか確認しておきます。
誤作動と言えど倍速は働くので、やはり5Vの電圧は出力されています。
カプラの接触不良の可能性もありますが、接触不良ならむしろ直進時に倍速は働かないと考えるのが自然です。
ちなみに、カプラは防水防塵になっています。
という事で、改めて切れ角センサの故障になります。
所定位置に切れ角センサ(取付板)を取り付け、作動ロッドも取り付けます。
カプラ洗浄をしてカプラを接続します。
後は、マフラを取り付け、サイド・カバーを取り付けて部品交換は終わりです。
切れ角センサの交換を終えたら、微調整モードに入って、ハンドル直進位置での切れ角センサがマイコンに返す電圧をマイコンに書き換えする必要があります。
ハンドルを直進状態にして、微調整モードに入ります。
表示切換と走行モードのスイッチを同時に押しながら、エンジンを始動します。
メータ・パネルは左写真のように表示されるので、そのまま「微調」のところで、表示切換スイッチを3秒以上押して実行します。
左写真のような選択画面に変わります。
そのまま「倍速」のところで、さらに表示切換スイッチを3秒以上押して実行します。
前輪を直進にと表示されるので、前輪を直進に(既に直進位置)します。
正常であれば「セットOK」と表示されるので、ここで再度、表示切換スイッチを3秒以上押します。
キーSWを切り、書き換え完了です。
試験走行し異常が出ないので、これで良しとします。