デリバリ・パイプのオイル漏れ(GL27)
クボタ・トラクタGL27で、デリバリ・パイプ回りからオイルが漏れてきます。
ミッション・ケースの下に油溜まりが出来ていた事から発覚しました。
落下調整弁のグリップと固定ボルト(頭部12㎜)4本を外して、シート下のカバーを外します。
ベタベタでよく分からないので、高圧洗浄機できれいに洗います。
電気配線のカプラ等に凍み込んだ水気は、コンプレッサを使いエア吹きして飛ばしておきます。
何故かデリバリ・パイプ上のオイル・チューブが抜けかかっています。
ここからオイル漏れしている可能性はありますが、とりあえず押し込んでホース・バンドを増し締めしておきます。
それよりもデリバリ・パイプと油圧シリンダ・ケースの接合面からのオイル漏れを疑っているからです。
念のため、Uシフト変速バルブ側(反対側)のホース・バンドも増し締めしておきます。
少しやり難いです。
オイル漏れする箇所を特定させる必要があるので、エンジンを始動してしばらく放置します。
直ぐにデリバリ・パイプを固定しているボルト回りからオイルが漏れてきます。
やはり、デリバリ・パイプと油圧シリンダ・ケースの接合面からのオイル漏れですね。
エンジンが回っている間はオイル・ポンプも回り続けるので、作動油兼ミッション・オイルは、オイル・ポンプからデリバリ・パイプと油圧シリンダ・ケースを経由し昇降用コントロール・バルブ(油圧シリンダ・ケース下)に送られます。
つまり、エンジンが回っている間はオイルが漏れ続けるって事です。
頭部12㎜の固定ボルト2本を外し、フランジ・キャップとデリバリ・パイプを外します。
デリバリ・パイプ側にOリングが2つくっ付いたまま残っていますが、このOリングを交換します。
Oリングを外します。
デリバリ・パイプと油圧シリンダ・ケースの間にもOリングが2つありますが、このままでは外せないのでミッション・ケースの側面にあるパイプ固定金具を外します。
頭部14㎜の固定ボルトを外して、デリバリ・パイプを固定している金具を外します。
少し強引ですが、これでデリバリ・パイプを手前に引く事が出来ます。
左写真で分かるようにOリングが2つありますが、これらも交換するので外します。
デリバリ・パイプとフランジ・キャップのOリングが収まる窪みには、それぞれ潤滑材を吹き付け洗浄しておきます。
Oリングは、フランジ・キャップ側と油圧シリンダ・ケース側の計4つを交換します。
左写真は外したOリングですが、やはり押し潰れています。
左写真は新品のOリングです。
P10㎜とP12㎜が2つずつです。
デリバリ・パイプの窪みに新品のOリング(P10㎜)を2つ入れます。
きれいな指でOリングを押さえておきます。
左写真のように直ぐ外れようとするので、そうならないうちに素早く油圧シリンダ・ケースに押し付けます。
フランジ・キャップ側の窪みにもOリング(P12㎜)を2つ入れます。
数秒~数十秒くらいは窪みに収まっているので、外れてくる前に素早くデリバリ・パイプに押し付けます。
フランジ・キャップとデリバリ・パイプを油圧シリンダ・ケースに押し付けながら、固定ボルトを締めていきます。
Oリングが窪みから落ちていない事を確認しながら行います。
2本の固定ボルトをしっかり締め付けたら、パーツ・クリーナでデリバリ・パイプ回りを洗浄して油分を取り除きます。
デリバリ・パイプの固定金具も取り付けますが、外す時に緩衝材であるゴム・チューブが付いてなかったので、ゴム・チューブを入れて取り付けます。
ミッション・オイルが検油窓から見えないくらい漏れていたので、ミッション・オイルを補充しなければいけません。
左写真のように、検油窓の半分くらいまでオイル量があればOKです。
もちろん、ロータリが地面まで下がった状態でのオイル量です。
給油口キャップを締めたら、エンジンを始動し回転を上げ数分放置します。
デリバリ・パイプ回りからオイルが漏れていない事を確認出来たらOKです。