ロータリが上がらない(GT21、T22)
クボタ・トラクタGT21で、ロータリが上がりません。
油圧レバーを上げても全く反応がありません。
原因はフィード・バック・ロッドが折れた事です。
フィード・バック・ロッドは、コントロール・バルブを作動させるスプール・ドライブ・レバーを介して油圧レバーと繋がっているので、フィード・バック・ロッドが折れると、油圧レバーを上げてもスプール・ドライブ・レバーが正しく動かずコントロール・バルブは作動しません。
つまり、油圧が作動しなくなるという事です。
ロッド・ピンがリフト・アームのロッド・ピン取付穴で膠着してしまった事で、フィード・バック・ロッドが折れたようです。
ロッド・ピンが自由に動かないと、ロッドに負担がかかり折れるという事です。
シート下の前面カバーも外します。
外さなくても出来ますが、視界を良くするためです。
左写真で分かるように、フィード・バック・ロッドとアームを連結している割ピンがありますが、これを外します。
主変速レバーと副変速レバーを動かし、工具を入れる隙間を確保します。
マイナス・ドライバとラジオ・ペンチを使って割りピンを外します。
フレーム補強板を外してないので狭くてやり難いです。
フレーム補強板は頭部14㎜のボルト2本で固定されているだけなので、当然外したほうが良いですね。
今度はロッド・ピンを外します。
完全に膠着しているので大変です。
割りピンを外さないといけないのですが、向き悪いです。
潤滑材やオイルを浸み込ませます。
当然すんなり浸み込みません。
ポンプ・プライヤで割り側を上向きにしようとしても、びくともしません。
折れたフィード・バック・ロッド端部の下にバールを差し込み、じわりと起こしていきます。
位置の良いところで割りピンを外します。
後は、折れたフィード・バック・ロッド端部をハンマで叩いて下げる、バールで起こして上げるを延々と繰り返して膠着をといていきます。
何だかんだで外すのに30分以上かかってます。
ロッド・ピンは、カップ・ブラシ・グラインダで磨いてきれいにします。
新品のフィード・バック・ロッドときれいにしたロッド・ピンは、すぐに錆びないよう塗装しておきます。
念のためです。
フィード・バック・ロッドを取り付けます。
割りピンを使いましたが、Rピンでも良いかと思います。
リフト・アーム側にロッド・ピンを取り付け、フィード・バック・ロッドを入れ適当にナットを回しておきます。
ロッド・ピンの軸部にはグリースを塗付しておきます。
左後輪を取り付ける前に、エンジンを始動しフィード・バック・ロッドの調整を行います。
これは、単に左後輪がなく作業し易いから先に調整するというだけです。
エンジン回転を1300回転くらいにし、油圧(ポジション)レバーを最上げ位置に動かします。
外側ナットを締めていき油圧をリリーフさせたら、そこから3回転戻します。
油圧レバーを下げてエンジンを切り、内側ナットを締めてロックします。
後は、外したカバー類と左後輪を取り付けるだけです。
クボタ・トラクタT22で、フィード・バック・ロッドです。
前述のクボタ・トラクタGT21と同じで、ロッドが折れると作業機が上がらなくなります。
トラクタを水洗いした後には、ロッド・ピンの軸部に潤滑剤を注して膠着を防いでおきます。