主変速レバーが上手く入らない(GT23)
クボタ・トラクタGT23で、主変速レバーが上手く入りません。
重く引っ掛かるような感触があり、「後進」に入れると前進してしまう症状です。
何とかニュートラルに戻す事が出来たので、これ以上は変速せずに修理します。
ジャッキ・アップして左後輪を外します。
後輪の固定ボルトとナットは固く締まっているので、ジャッキ・アップする前に少しだけ緩めておき、ジャッキ・アップ後に外します。
上下2つの泥避けカバーを外します。
泥避けカバーは、頭部12㎜のボルト5本とナット1本で固定されています。
主変速レバーが中立位置にいるので、左写真で分かるように、互いに向き合っているコの字形のチェンジ・アームのコの字の中にチェンジ・レバー(主変速レバー)がいます。
今回の症状は、この2つのチェンジ・アームの動きが土や錆びなどが原因で悪くなって、ギヤを入れる時、コの字形の部分からチェンジ・レバーが抜けてしまう事です。
頭部14㎜の固定ボルト2本を外し、チェンジ・レバーから主変速レバーを外します。
チェンジ・アームからシフト・レバーに2本のロッドが繋がっています。
ベータ・ピンを外し、2本のロッドを外します。
これでチェンジ・アームがフリーになり、手元で自由に動かす事が出来る状態になります。
コンプレッサでエア吹きして、チェンジ・レバーとチェンジ・アームに付着している土を吹き飛ばします。
そして、摺動部である支軸回りに注油し、動きが軽くなるまで手で4方向に何度も動かします。
油が浸透し動きが軽くなってきたら、シフト・レバー側にも注油しロッドを元に戻します。
左側のチェンジ・アームには、ニュートラル・スイッチが付いています。
既に短絡してあり、ニュートラルでなくてもエンジンをかけれる状態になっています。
ニュートラル・スイッチはあっても意味の無いものになっているので、これを機に取り外します。
所有者も分かっているので、無くても何ら問題ありません。
主変速レバーが正しい中立位置(ニュートラル・ポジション)にくるように、頭部14㎜のボルトを締めて固定します。
チェンジ・レバーのバネの動きも良くなっているので、すんなりと正しい中立位置にきます。
主変速レバーが少し曲がっているようにも感じましたが、そこそこ良い位置にいるので良しとします。
泥避けカバーを取り付ける前に、楽にギヤ・チェンジ出来るか確認しておきます。
写真では伝わり難いですが、驚く程スムーズにギヤ・チェンジが出来るようになっています。
このトラクタにおいて「2速」と「後進」にギヤを入れる時は、構造を考えると、主変速レバーをガイド横に当ててから入れる方が良いですね。
薄くボンドを塗ってからクッションを入れ、グリップを取り付けます。
後は、泥避けカバーと後輪を取り付けてジャッキを外すだけです。