ロータリのフローティング・シール交換(SXL2211)
ニプロ・ロータリSXL2211の爪軸オイル漏れ修理で、フローティング・シールの交換です。
左写真はチェーン・ケースからスプライン軸を取り外し、フローティング・シール、スフェリカル・ローラ・ベアリング、スナップ・リング、ガードを取り外した状態です。
チェーン・ケースのフローティング・シール(Oリング)接合面に潤滑剤を吹き付け、耐水ペーパ(#800~1000)で磨いてきれいにします。
仕上げの目安としては、接合面全体を指で触ってザラザラ感が無くなる程度です。
磨き終えたらパーツ・クリーナで油分とゴミを落とし、ウエスできれいに拭き上げます。
スプライン軸側も同じようにきれいにします。
チェーン・ケースにはスフェリカル・ローラ・ベアリングを取り付け、スプライン軸にはガードを取り付けます。
フローティング・シールは、メタル部に太いOリングが取り付いた状態のものが2つあり、どちらも同じもので、チェーン・ケース側とスプライン軸側にそれぞれ取り付きます。
チェーン・ケース側にフローティング・シールを取り付けます。
今回は、接合面にオイルを塗布せず乾いた状態で取り付けます。
また、ニプロの専用工具は使いません。
左写真では分かり難いですが、Oリングが抜け出ないように接合面のツバの部分がほんの少しだけ返しになっています。
仮に、この返しが摩耗して無い状態になっているとOリングが外れ易くなるので、取り付け前にオイルを塗布するといった事はやらない方がいいです。
手でメタル部を押さえ付けながら、細いマイナス・ドライバの先端を使って少しずつOリングを押し込みます。
なるべくドライバの先端が角ばっていないものを使います。
位置をずらしならがら押し込んでいきます。
メタル部の角で手を切らないように気を付けて行います。
全体を押し込んで嵌め終えたら、斜めになっていないか確認し、なっていなければOKです。
このようにオイルを塗布せず乾いた状態で取り付けましたが、どうしてかと言うと、この後チェーン・ケースにスプライン軸を取り付ける時に、オイルが塗布してあるとフローティング・シール(Oリング)がちょっとした振動で油分で滑って外れる可能性があるからです。
今度は、スプライン軸にも同じようにフローティング・シールを取り付けます。
チェーン・ケースとスプライン軸の両方にフローティング・シールを取り付けたら、両方のメタルの光沢面に薄くエンジン・オイルを塗布します。
チェーン・ケースにスプライン軸を取り付けます。
ハンマで叩いて取り付けるとフローティング・シール(Oリング)が振動で外れる恐れがあるので、プレス機かナットの締め込みで取り付けます。
後者のナットの締め込みで取り付けるとは、スプライン軸が入る短い鉄パイプ等を挿入し、スプライン軸にナットを付けて締め込んでベアリングの内輪を押し込む方法です。
右耕運軸ボス側もフローティング・シールなので、同じ手順で取り付けたら、同じようにハンマを使わず右軸をベアリング・ケースに取り付けます。