玄米選別計量機は、籾摺りされた玄米を良米と未熟米に選別し、良米を自動計量して排出する機械である。
玄米を選別する方法は、らせん状の回転体に所定の網目の選別網を被せ、これらを回転させる事により発生する遠心力で玄米をふるいにかけ、良米と未熟米(屑米)に分けるものが主流である。
下図のように玄米を上方向に選別しながら移動させてそのまま排出するものと、逆に玄米を下方向に選別しながら移動させた後に昇降機やスクリュで上げてから排出するものなどがある。
玄米供給口(投入口)は前者が本体の後側からで、後者が本体の真ん中上部からになっている。
良米を自動計量する方法は、電子量りを使い重量を測定し、操作パネルで設定した重量になると排出口のシャッタが自動で閉じるようになっている。
入力電源は多くのものが単相100Vだが、処理能力の大きい仕様のものは三相200Vである。
モータからの伝動はギヤ駆動かベルト駆動で、グレードの高い仕様ではインバータを使ってモータ回転数を制御し、排出される良米の未熟米混入量を調整できるようになっている。
選別計量機の大まかな流れ
籾摺り機、または石抜き機から排出された玄米は、選別計量機の玄米投入口に入る。
左回転する供給らせんに入った玄米は、下部にある玄米入口から揚穀らせんに移動する。
右回転する揚穀らせんには、供給らせんと同じく左回転する選別網が被せてあるが、玄米は右回転する揚穀らせんで上方向に移動する。
玄米には上方向に移動する時に遠心力がかかり、それによって振り落とされようと選別網でふるいにかけられ、良米はそのまま上方向に移動し、粒の小さい未熟米は選別網の網目からすり抜け、未熟米出口からそのまま外に排出される。
右回転する揚穀らせんで上方向まで移動した良米は、タンクに落ちて整粒米出口から量りの上にセットされた玄米袋に入る。
予め、操作パネルで設定された重量になると、シャッタが閉じてブザーが鳴る。
シャッタは2段階方式になっていて、設定重量近くになると第1シャッタが閉じて流量を抑え、設定重量になると第2シャッタが閉じるようになっている。
選別網は供給筒(らせん)の上にセットされるので、供給らせんと同じ回転数、同じ回転方向で回る。
選別網が揚穀らせんとは逆回転に回る事で、網目の目詰まりを防ぎ、効率良く選別が出来るようになっている。
選別網の目幅には各種あり、一般に品種に合わせた選別網を使う。
目幅→1.75、1.80、1.85、1.90など
例えば網目の大きい選別網を使うと、網目をすり抜けて良米まで未熟米出口から出てしまい、結果的に収量が落ちてしまう。
選別網、揚穀らせんの取り外し
上蓋と後蓋(側板)を外す。
共に、4~6本の化粧ボルト(ナット)などで固定してあるだけである。
後は、選別網、揚穀らせんを順番に上方向に引き抜く。
取り付ける時は、揚穀らせんから芯軸を合わせて落とし込み、選別網は切り込み位置を合わせて被せる。
そして、軸受けを兼ねた上蓋は、軸受け部にグリースを塗付して取り付ける。
計量設定は総合計(玄米+袋立て+玄米袋)の重さと、玄米のみの重さを入力する方法がある。