今回は、サタケ籾摺機GPS300の籾摺ロール(ゴム・ロール)の交換方法について記載します。
現行モデルのNPS型も、旧式のAPS型も殆ど同じです。
基本的には、どの籾摺機も殆ど同じ手順なので参考にしてください。
※ここで説明するやり方は、電動インパクト・レンチを使わず行う方法です。
必要工具と道具: 17㎜メガネ・レンチ、13㎜ボックス・レンチ、ボックス延長ソケット(エクステンションバー )、潤滑剤
まずは、正面のプラスチックのカバーを外します。
次に蝶ネジ・ボルト(正ネジ)を2本外して、ロール・ケースのカバーを外します。
主軸(向かって左側)のほうが副軸(向かって右側)より回転が速いので、摩耗が進みます。
時計で例えるなら、短針が1周すると副軸より3~4時間早く進みます。
左写真では主軸のほうは2~3分山くらいで、副軸のほうは4~5分山くらいです。
同径ロールなので左右入れ替えをしてもう少し使えますが、所有者が変わるため両方とも交換します。
また、籾摺ロールを交換するときは、なるべく両方同時に交換したほうが賢明だと思います。
籾摺ロール(以下ロール)の交換は、ロールだけを外す方法と、取付体ごと外す方法の2通りあります。
前者はロール取付体を外さないので、基本的にはロールの取り付け位置が変わることはありません。
但しロールが偏摩耗していたら、左右のロールの出面を合わせ直す必要があります。
また、ボルトを緩めたり閉めたりする際は軸がつられて回転してしまうので、例えば回転しないように開閉ダイヤルを目一杯閉めて、さらにロール間に適当な物(モンキ・レンチの柄など)を挟むなどして、回転しないように工夫をしなければいけません。
当たり前ですが、電動インパクト・レンチがあればつられ回りせず、そのままボルトを緩めたり締めたり出来ます。
後者の方法はロール取付体ごと外すので、取り付け時にはそれぞれがセキ板に当たらないようにして、尚且つ両方のロールの出面を合わせる必要があります。
その代わり前者より作業し易いと思います。
ということで、後者の方法でのロール交換を説明していきます。
ロール取付体を固定している頭部17㎜のボルトをそれぞれ緩め、ロール取付体を外します。
通常そのまま手で引けば抜けてきます。
ギヤ・プーラなどは必要ないと思います。
※4~6インチなど大きいものは、スペル・キー付きの軸なのでその限りではありません。
もし抜けない場合は、諦めて前者の方法でロールを外しましょう。
交換目安は、ゴムの厚さが5㎜くらいです。
しかし、石などの異物を噛み込んだりしてロール接触面が傷付いたり、偏磨耗したものは、厚さに関係なく交換すべきだと思います。
そのまま使用し続けると、ロールを適正に閉めても摺り残しが出るので、選別が上手くいかなくなります。
また、肌ずれや砕米が発生することがあります。
ロールをロール取付体から外します。
ロールは、頭部13㎜のボルト3本で固定されています。
同径ロールなので、ロール取付体は左右とも同じものです。
埃などの汚れをウエスできれいに拭き取ったり、エアで吹き払っておきます。
※主軸と副軸が違う異型ロールは左右の入れ替えはできません。
バンドー化学の小径3インチ統合ホワイト・ロールです。
ロールは裏表があるので、左写真のように取り付けます。
平面で柄のないほうが裏側です。
ロール間隙調整ダイヤルを適当に回して、新品の籾摺りロールが取り付けれるくらいの隙間を開けておきます。
ロールが奥のセキ板に接触しない位置で固定します。
左右どちらのロールから取り付けても構いません。
ここでは副軸側から取り付けます。
奥のセキ板との隙間は当たらない程度に適当です。
取り外す時に大体の位置を記しておいても良いですが、私はロールのラベルを利用します。
ラベルを剥がし二つ折にして、左写真のようにセキ板とロールの間に挟みます。
そして、ラベルを楽に通せるくらいの位置で固定します。
四つ折にしたら落ちない程度です。
大体ですが、、正面ケースのセキ板にも接触しない程度の隙間になります。
次にもう片方のロールを取り付けます。
当然ですが、左右の出面を合わせる必要があります。
左写真のように差し金のようなものを使っても構いませんが、親指で出面を撫でて感触で合わせてもいいかと思います。
副軸側から取り付けたので、当然ながら副軸側を基準にします。
最後にケース・カバーと正面カバーを取り付けて完了です。
電源を入れてロールを回転させます。
セキ板に接触してる音がでていないか確認して完了です。
→ロール隙間調整へ
前者のロール取付体を外さない方法で行った場合、ロール・ケース内にボルトを落としてしまったら、次の箇所から回収できます。
横送りのスクリュ・ケースに落ちるので、「残米レバー」を開いて「残米受箱」に落とします。
「残米受箱」を引き出して回収します。
※写真では戻りスロワ・カバーは取り付いていませんが、ここは関係ありません。
「残米受箱」に落ちなかった場合は、手でベルトを正回転させて、左写真のように混合スロワの掃除口から出します。