今回は、クボタの特殊3P式ロータリの着脱方法について説明します。
特殊3P式とありますが、所謂、小型~中型のトラクターに使われるオート・ヒッチ・フレームの方式です。
(クボタのオート・ヒッチ・フレームは、特殊3P式とW3P式があります。)
特殊3P式の主な特徴については「3点リンク」内にて確認してください。
また、ロータリの着脱方法は「普通ロータリ」内でも説明をしています。
主な着脱条件と注意事項
上記の条件を満たしていないと、上手く着脱出来ない可能性があります。
◎オート仕様、スタンド仕様、スーパー・ジョイント仕様(ユニバーサル・ジョイントを手で外す必要がないタイプ)
エンジンを始動して油圧レバーを操作し、ロータリを少し上げた状態にしたら、リヤ・スタンドを立てセット・ピンで固定します。
引き出し量は整地板(フラップ・カバー)に接触しない程度で、適当で構いません。
フラップ・カバーは取り外した状態でも構いませんが、取り付けるなら左写真のように、一般耕運作業位置(上穴)にします。
フロント・スタンドも立て、セット・ピンで固定します。
このスタンドは、ロータリの転倒防止のためのものですが、立てなくても着脱は出来ます。
これは、後述の後2輪ハンドルを「着脱位置」より回し続けると、必要以上に前傾、前重心になるため、ロータリはバランスを失い倒れてしまうので、必要以上に前傾にしなければフロント・スタンドは必要ないとも言えます。
均平板(ロータリ・カバー)を最下げ位置にします。
このロータリはオート・ハンガ式なので、オート・ハンガが左写真のように解除位置にあれば、最下げ位置になります。
均平板が最下げ位置になっていない状態でロータリを外すと、オート金具が引っ掛かり曲がってしまいます。
後2輪ハンドルを回して、左写真のように外管の先端を「着脱位置」に合わせます。
着脱位置にすると、ロータリは前に傾きます。
つまり、ロータリとオート・ヒッチ・フレームが着脱可能な位置になります。
オート・ヒッチ・フレームのロック・レバーを、左写真のように解除します。
このようにロックは外れます。
左右軸のロックが同時に外れます。
油圧レバーを操作し、ロータリを下げます。
ロータリは自然に外れます。
自然に外れない場合は、再度ロータリを上げてから、最下げにします。
また、最下げ位置で少し低速前進します。
このように完全に分離できます。
折角なので、ユニバーサル・ジョイントのグリース・アップをしておきます。
また、ロック・レバーが軽く動くように、ロック部回りに潤滑材を吹き付けておきます。
取付時は、ロック・レバーを左写真のようにロックしたままで構いません。
ロック位置でドッキングしても、自動でロックするようになっています。
オート金具のセンサ・アームを指で下から持ち上げておきます。
また、可動軸回りに潤滑材を吹き付けておきます。
これは取説には載っていないかもしれませんが、オート(カバー・センサ)・ワイヤが異常ないのに、年数が経過したり泥の影響などで、センサ・アームの動きが悪くなり、アームが少し下がってしまう場合があるからです。
センサ・アームが下がった状態でロータリを取り付けると、センサ・アームがガイド・アームに正しくセットされない場合があります。
ロータリを取り付けます。
ロータリの状態は、ロータリを取り付ける時も取り外す時も同じ状態です。
トラクターに乗車し、油圧レバーを操作してオート・ヒッチ・フレームを下げ、ゆっくり後進します。
ロータリに接近し、油圧レバーを操作してトップ・マスト上部ピンの下にオート・ヒッチ・フレームのフックを潜らせます。
オート・ヒッチ・フレームのフックでゆっくりとトップ・マスト上部ピンを持上げます。
油圧レバーを操作し、ゆっくりとロータリを吊り上げます。
ロータリは自動的に取り付いて、オート・ヒッチ・フレームでロックされます。
左右の軸が確実にロックされているか、必ず確認します。
再度言いますが、必ず確認します。
オート金具のセンサ・アームが、ロータリ側のガイド・アームに確実にセットされているか確認します。
ドックングは、これで完了です。
後は、フロント・スタンドとリヤ・スタンドを格納します。
このように現在では、ロータリの着脱はとても簡単に出来るようになっています。
(随分前からですが…)
また、ヤンマーやイセキではどうかというと、オート・ヒッチ・フレームの型やクボタで言う「オート金具」に該当する部分などは違いますが、着脱の要領は殆ど同じです。