エンジン・ポンプ
エンジン・ポンプとは、エンジンの回転力によってポンプのインペラを回転させて吸水口に負圧を発生させることにより、水を吸い上げ吐き出すことが出来る機械である。
吸排水とも口径は同じだが、よく使われるものは1～4吋である。
◎ポンプの使用方法と特徴
ポンプの使用方法
エンジン・ポンプは所定の手順で使用しないと、水を吸い上げないだけでなく故障の原因になる。
呼び水が無い空運転は吸水出来ないだけでなく、メカニカル・シールが傷むなどして水漏れ故障に繋がる。
したがって、エンジンを調整する時も同様でポンプ・ケースに水を入れてから行う。
接続が緩かったり、パッキンに亀裂が入っていたりすると、空気が入り吸水出来なくなる。
ポンプの特徴
- 排水口の向きは4面どの向きにも変える事が出来る。
- 吐出量は落ちるが、ポンプは逆回転でも吸い上げる。
ベルト駆動などでポンプ単体を回す場合、回転方向を間違えないようにし、規定の回転数（プーリの組み合わせで決まる）に合わせる。 - インペラは右ネジのものと左ネジのものがある。
例えば、メカニカル・シールを交換する場合にインペラを取り外すが、 出力軸が一緒に回らないように固定するには以下の方法がある。
ピストンを下死点にしてから、プラグ穴にピストン・ストッパを取り付けてピストンを固定する。
また、シリンダ・ヘッドを外し、ピストンを下死点にしてストローク分の長さの木片をシリンダ内に入れて、再びシリンダ・ヘッドを取り付ける方法がある。
この方法は、バルブが接触しないSVエンジンでのみ使える。
| 症状 | 原因 | 対処 |
| 吸水出来ない | ①空運転（呼び水が入っていない） ②吸水フィルタの詰まり ③インペラの磨耗 ④吸水ホースが長すぎる（揚水能力を超えている） ⑤吸水ホースの接続不良（エア混入） ⑥ポンプの水漏れ |
①呼び水を一杯入れる ②掃除 ③交換 ④短くする ⑤パッキンを確認、しっかり接続し直す ⑥出力軸から漏れる場合はメカニカル・シール交換、ポンプ・ケースつなぎ目から漏れる場合はボルトの増締め、もしくはOリング交換 |
| ポンプから水が漏れる | ①メカニカル・シールの磨耗 ②Oリングの磨耗、亀裂 |
①交換 ②交換 |
| リコイル・スタータの紐が引けない | ①ポンプ・ケース内に小石などが入り、インペラに引っ掛かる ②エンジンの焼付き ③リコイル・スタータの紐の絡まり |
①掃除 ②エンジンのオーバ・ホール ③紐の巻き直し、交換 |
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作成日：2008/8