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コンバイン修理

トラック・ローラのオーバホール(SR40) / クローラの交換(SR21)



SR40 トラック・ローラ シャフト ベアリング 取り外し後クボタ・コンバインSR40で、トラック・ローラ(転輪)のオーバホールです。

組み付けるところからです。

左写真を見て分かるように、オイル・シールの外周面が密着するハウジングの内面が摩耗して錆びも進行しています。

耐水ペーパで磨きましたが、面取りできる状態ではありません。

交換となるとトラック・フレームごとになってしまうので、液体ガスケットを使ってオイル・シールを取り付けるしかありません。

SR40 トラック・ローラ シャフト ベアリング 取り付け後シャフトと新品ベアリングを取り付けたところです。

この後オイル・シールを取り付けますが、取り付けるオイル・シールはフローティング・シールです。

SR40 トラック・ローラ フローティング・シール 取り外し後トラック・ローラで車輪の片割れになります。

このトラック・ローラにもフローティング・シールが取り付きますが、またしてもシール(ゴム部)の外周面が密着する面が腐食してしまっています。

耐水ペーパで磨きましたが、凹凸を消すことは出来ません。

これも液体ガスケットを使って何とかします。

SR40 トラック・ローラ フローティング・シールフローティング・シールです。

2組の同じシールが向かい合って取り付くようになっています。

研磨された光沢のある金属面同士が密着して摺動することで、内部のオイルが漏れずに外側からの泥水や土砂の浸入を防ぐ構造になっています。

何故この構造でオイルが漏れないのか不思議です。
考えた人はすごいですね。

ちなみに、フローティング・シールは大型のロータリなどにも使われたりします。
左写真のものとはシール形状が違ったりします。

SR40 トラック・ローラ フローティング・シール 分離フローティング・シールを金属環のメタル・シールとゴム・シールに分けます。

SR40 トラック・ローラ フローティング・シール メタル・シール リチウム・グリース 塗付メタル・シールがゴム・シールに収まり接触する部分にリチウム・グリースを薄く塗付します。

SR40 トラック・ローラ フローティング・シール 液体ガスケット 塗付リチウム・グリースがゴム・シールの外周面に付かないように気を付けて、メタル・シールとゴム・シールを組み付けます。

左写真のように、ゴム・シールの外周面に液体ガスケットを塗付します。

グリースが付着していると、液体ガスケットのシール効果が無くなってしまいます。

SR40 トラック・レール ハウジング(ローラ) フローティング・シール 取り付けフローティング・シールを取り付けますが、特別な工具は必要ありません。

メタル・シールに両手を添え、均等に力を加えてハウジングに押し込みます。

押し込み時、抵抗は殆ど無いので簡単に取り付きます。

この時、ハウジングにゴム・シールが均等に収まっているか確認します。

SR40 トラック・ローラ フローティング・シール 取り付けトラック・ローラ側も、前項と同じようにフローティング・シールを取り付けたところです。

メタル・シール同士が合わさる面に薄くエンジン・オイルを塗付してから、トラック・フレームに取り付けます。

エンジン・オイルは垂れない程度に、どちらか片方だけ(トラック・ローラ側かハウジング側)に塗付します。

SR40 トラック・ローラ 片側 取り付け後袋ナットを締め付けてトラック・ローラを取り付けていくので、間違ってもトラック・ローラを叩いて取り付けるといった事はしません。

袋ナットはインパクト・レンチを使い締め付けます。

反対側も同じようにフローティング・シール、トラック・ローラを取り付けます。

1~2日経って、液体ガスケットが乾いてからギヤ・オイルを入れます。

この修理は3年前に行ったものですが、、今のところオイル漏れはしていないようなので良かったと思います。



SR21 クローラ 亀裂クボタ・コンバインSR21で、クローラの交換です。

左写真で分かるように、外側に亀裂が入っているし芯金も外れそうです。

SR21 トラック・フレーム 後レール 取り外しクローラを外すにはアイドラを前方へ動かさないといけませんが、レールを外さないとそれが出来ません。

泥や錆びが酷いせいで、ボックス・レンチにパイプを延長しないとレールの固定ボルトが緩みません。

支持点を安定させるため、パンタグラフ・ジャッキを使用しています。

ボルトが折れないことを願います…。