トラック・ローラのオーバホール(AR32、ER108)
クボタ・コンバインAR32で、トラック・ローラのオーバホールです。
手でローラを触ってガタつきがある事が分かるようになってきたので、イコライザからローラを外してベアリングとオイル・シールを交換します。
最初にイコライザを取り外します。
ローラを外すには、しっかり掴む事が出来る大きいギヤ・プーラ(G8)が必要です。
ローラの固定ナットを外し、代わりにネジ山の合うどうでもいいナットを取り付けて、シャフトの軸頭を潰さないように保護します。
本当ならネジ山が全て隠れる分だけのナットを奥まで取り付けて、ネジ山部分を完全に保護したいところですが、ローラのシャフト穴より小さいナットが無いので出来ません。
ナットをディスク・グラインダで擦って角を落とす、または適当なカラーを作る(探す)など方法はありますが…。
ギヤ・プーラをしっかり締めてから、大ハンマでセンタ・ボルトの頭をガツンと1発叩きます。
ネジ山の保護が不十分なので、狙いを澄ましてハンマを真上から真下へ正確に振り下ろします。
ギヤ・プーラのセンタ・ボルトの頭を斜めに叩いてしまうと、簡単にネジ山部分が曲がってしまいます。
1回の打撃でローラが外れれば良いですが、外れない場合は再度叩きます。
オイル・シールは、よくあるツバ付きタイプなので容易に交換できます。
フローティング・シールではありません。
内側のローラを取り外す時に、転輪支点シャフトが多少邪魔に感じるなら左写真のように先に外しておきます。
むしろイコライザのブッシュも交換するので、先に転輪支点シャフトを外しておくのが正しい手順かもしれません。
しかしながら、イコライザの下に入れる角材の数を増やして、その置き方を工夫すれば何とかなるので、個人的には転輪支点シャフトがあってもやり難さを感じる事はありませんが…。
ネジ山回り(シャフト)に潤滑剤を吹き付けておきます。
今度は、ローラを押えない程度にナットを2つ付けています。
2つのナットが回らないように、互いに向き合う方向に軽く締めておきます。
これで、多少ですが先程よりはネジ山が保護されます。
ギヤ・プーラをしっかり掛けて、思い切り大ハンマを振り下ろします。
大抵は1回ないし数回の打撃でローラは外れます。
ガス溶接で加熱する必要はありません。
このような感じで、ローラを1つずつ外していきます。
クボタ・コンバインER108で、トラック・ローラのオーバホールです。
手でローラを触ってガタつきがある事が分かるようになってきたので、イコライザからローラを外してベアリングとオイル・シールを交換します。
このコンバインは、クローラを緩めるだけで外さずしてイコライザを外せるスペースが出来ます。
軸頭を潰さない(変形させない)ために、ネジ山の合うどうでもいいナットを2つ取り付けて、ネジ山を完全に保護します。
2つのナットは、工具を使って軽く締めておきます。
使用しているナットはローラのシャフト穴より小さいので、奥までしっかり入れる(締める)事ができます。
ギヤ・プーラをしっかり掛けます。
ローラをしっかり掴める大きいギヤ・プーラ(G8)を使いますが、ギヤ・プーラを締めるだけではローラは外れません。
ギヤ・プーラのセンタ・ボルトの頭をめがけて、大ハンマを思い切って振り下ろします。
ナットでネジ山を保護しているのである程度の安心感はありますが、一応は意識して、ハンマを真上から真下へ的を外さないように正確に振り下ろします。
ガツンと正確にギヤ・プーラのセンタ・ボルトの頭を叩ければ、大抵は苦労する事なくローラを外せます。
シャフトは、ローラのシャフト穴との接合面がテーパになってるので、このように衝撃を与えれば外れてきます。
斜めに強く叩いてしまうと、ナットで保護してあってもネジ山部分が曲がってしまうので注意します。
外側のローラも同じようにギヤ・プーラを掛けて外します。
角材の置き方を変えてイコライザを安定させてから、大ハンマでガツンと1発叩きます。
他のイコライザも同じようにローラを外していきます。
後は、ツバ付きのオイル・シールをマイナス・ドライバで外してから穴用スナップ・リングを外せば、シャフトとベアリングが外せる状態になります。