扱ぎ深さ装置が動かない(SR30)
クボタ・コンバインSR30で、扱ぎ深さ装置を手動スイッチで操作しても動きません。
自動ボタンをONにすると通電してランプは点灯しますが、まずは手動で操作できないといけません。
浅い側に動かないようです。
深さチェーンが最深位置まで来てしまっているので、深い側には操作できない状態です。
まず、ヒューズが切れていないかを確認します。
扱ぎ深さモータのヒューズは上から3段目です。
モータに接続されているコネクタを外します。
サーキット・テスタを使います。
出力側のコネクタにテスタ棒を差し込みます。
スイッチ操作で浅い側から深い側に切り換えた時、プラスとマイナスが入れ替わるだけなので、どちらに差し込んでも構いません。
サーキット・テスタ上で、12Vと表示されるか-12Vと表示されるかの違いだけです。
キーSWをONにし、手動スイッチを浅い側に入れたままガム・テープで固定します。
DC12Vの電圧が出ていません。
キーSWを切り、手動スイッチのガム・テープを取ります。
リレー内(C-NC-GND-NC-C)を経由したモータ出力線とアース線が切れていないか確認するため、サーキット・テスタを導通試験モードにします。
導通がある事をしっかり確認出来たので、問題が起こっているのはリレーが働いた時のC接点のスイッチング不良か手動スイッチの接点不良、そしてその配線回り、またはリミット・スイッチの何れかになります。
リミット・スイッチはモータを外さないと確認出来ないし、コネクタのところで短絡させて確認する方法もありますが、モータの裏側でやり難いので、とりあえずリレーから確認します。
リレーがどこにあるか探したら、すぐ近くにありました。
リレー・ユニットですね。
一応、このリレー・ユニットが扱ぎ深さモータのものかどうかを確認しておきます。
リレー・ユニットのコネクタを外し、再びモータの出力側のコネクタにサーキット・テスタのテスタ棒を差し込みます。
導通がない事を確認出来たので、このリレー・ユニットが扱ぎ深さモータのものとなります。
手っ取り早い方法で、試しに他のリレー・ユニットに取り替えてみます。
リレー・ユニットを外します。
頭部10㎜の固定ボルト1本で固定されているです。
外したリレー・ユニットです。
何故リレー・ユニットと呼ぶのかというと、この部品にはC接点リレーが2つ入っていて、接点保護のためのちょっとしたICが組み込まれているためです。
グレン・タンクを開けて正面にあるのが、チャフとトウミのモータのリレー・ユニットです。
これらは扱ぎ深さモータのリレー・ユニットと同じだと思うので、これを使い試してみます。
扱ぎ深さモータのリレー・ユニットと並べてみても、ピンの数と位置、そしてコネクタ形状が同じものだと分かります。
キーSWをONにし、手動スイッチを操作したら正常に作動します。
これでリレー・ユニットが駄目だと確定です。
新しいリレー・ユニットが届いたので、これを取り付けて完了です。
自動扱ぎ深さ装置が作動するか確認します。
株元センサ・スイッチをONにした状態で、テープで固定します。
キーSWをONにし自動を入れ、刈取部が下がっている状態を確認し、脱穀レバーと刈取レバーを入れ、主変速レバーを少し前進位置にします。
このコンバインは、エンジンを始動しなくても自動扱ぎ深さ装置の動作確認が出来ます。
左写真のように手前側の穂先センサ・スイッチをONにしたまま、奥側の穂先センサ・スイッチをONにしたら、深さチェーンが浅い側に動き、手を離したら深い側に動いたので良しとします。