コンバインの脱穀選別6

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クボタ・コンバインER698Nで、前側の扱ぎ胴を交換します。

左プレートに穴が空きそうな事と、扱ぎ歯も全体的に摩耗し交換時期にきていた事から、メインである前側の扱ぎ胴をベアリングを含めごっそり交換します。

1000時間近く使用したので、点検蓋には穴が開いてます。

左写真は上側の受網ですが、こちらも大分摩耗しているので、問題を引き起こす前に交換しておきます。

左写真で分かるように、縦横が交差する横棒を保持している部分の多くで、摩耗して横棒が剥き出しになっています。

扱ぎ胴を外すので、一旦受網を元に戻しておきます。

扱ぎ胴を外すには扱ぎ胴軸を抜く必要があるので、扱ぎ胴軸を外すための作業スペースを確保するため、刈取部を分離します。

左写真のように、刈取フレームに専用の土台を取り付けているので、後ろに倒れる心配はありません。

頑張れば刈取部を分離せずに出来ない事もないですが、作業スペースを確保できないと、作業姿勢が悪くなり体を痛めてしまいます。

フロント・カバーを外し、扱ぎ胴駆動ベルトをベルト・テンションを緩めて外したら、扱ぎ胴駆動プーリの固定ナットを外し、扱ぎ胴駆動プーリも外します。

後側にある扱ぎ胴ベルトをベルト・テンションを緩めて外したら、扱ぎ胴プーリの固定ナットを外し、扱ぎ胴プーリを外します。





円筒の点検蓋を外します

点検蓋は、6角穴付きボルト(2面幅6㎜)で固定されています。

扱ぎ胴ボスの扱ぎ胴軸セット・ボルトを外し、ボルト穴にエンジン・オイルを注します。

セット・ボルトは前側に1本、後側に2本あります。

ベアリング・ケース(前)を固定している頭部12㎜の固定ボルトを全て(4本)外し、調整ボルトを緩めます。

受網の上に厚めの角材を横向きに幾つか置いたら、エンジンを始動し、扱ぎ歯(ナミハ)が角材に着くまで扱ぎ胴をゆっくり閉めエンジンを切ります。

スライド・ハンマを使い扱ぎ胴軸を外します。

扱ぎ胴ボス部分のスペル・キーが側板に当たらないようにするため、スペル・キーを上向きにしてから外します。

厚めの角材を使う理由は、強度以外に扱ぎ室が降下する時に、位置センサが働いて自動ロックがかからないようにするためですが、今回、大きさが不揃いの角材を幾つか置いたせいで扱ぎ胴が水平にならず、取り外しに苦労しました。

本来は、受網に合わせてコンパネと角材で適正な敷板を作るべきなのです。

ここで使ったスライド・ハンマのシャフトは、ホーム・センタで売られている寸切りボルトとナットを組み合わせて、扱ぎ胴軸のネジ山に取り付くように作ったものです。

取り外した扱ぎ胴軸です。

転落防止板(前後)の固定ボルトを全て外したら、エンジンを始動し扱ぎ室を少しずつ開き、転落防止板(前)と一緒に扱ぎ胴(前)を外し、次に扱ぎ胴(後)を外します。

ベアリング・ケース(後)の固定ボルトを全て外し、転落防止板(後)とベアリング・ケース(後)を外します。

そして、ベアリング・ケース(ベアリング)からVプーリを外します。

さらにVプーリからスプライン・ボスを外し、それぞれのベアリングを外します。

ベアリング・ケースに嵌るベアリング(6010)、そしてスプライン・ボスに嵌るベアリング(6007)を交換しVプーリを組み付けたら、落下防止板(後)とベアリング・ケースを塗料跡から分かる元と同じ位置で、後側の側板に取り付けておきます。

固定ボルトをある程度は締めますが、受網と扱ぎ歯の隙間を調整確認する必要があるので、この時点では本締めしません。

左写真は、扱ぎ胴(後)の左プレートに嵌るベアリングとボスです。

これもベアリング(6007)と防塵カバーを交換し、扱ぎ胴(後)の左プレートに取り付けておきます。

この時、ついでに扱ぎ胴(後)の扱ぎ歯を交換しておきます。

扱ぎ胴軸からベアリング・ケース(ベアリング)を外します。

ギヤ・プーラを使い外そうと試みたのですが、膠着が酷くなかなか外れません。

ベアリング・ケースが割れる恐れもある事から、一旦ギヤ・プーラを外しやり方を変えます。

穴用スナップ・リングを外し、ベアリングを残したままベアリング・ケースだけを後ろに外します。

改めてギヤ・プーラを使い、ベアリングを外します。

ベアリング(6307)と防塵カバーを交換し、ベアリング・ケースを扱ぎ胴軸に取り付けておきます。





スプライン部にグリースを塗付してから扱ぎ胴(後)を先に取り付け、転落防止板(前)と共に新しい扱ぎ胴(前)を取り付けます。

扱ぎ胴を外す時と同じく、受網の上に角材を幾つか置いて扱ぎ胴が水平になるようにしてみたのですが、水平にするだけの必要な角材が足りず、上手くいかなかったので早々にこの方法を諦めます。

左写真で分かると思いますが、扱ぎ室のワラ切刃が取り付くところの下にある小さな網(ライナ)も、今回の修理ついでに交換しています。

外す時とは違い扱ぎ室が開いた状態で、フォーク・リフトを使って扱ぎ胴(前)を入れます。

フォークの上にコンパネを置く事によって水平にしています。

作業マニュアルとは違うやり方ですが、個人的にはこの方法が一番やり易いです。

それぞれ穴位置を上手く合わせ、扱ぎ胴軸を取り付けます。

扱ぎ胴軸にグリースを塗付し、ベアリング・ケース(前)が側板に当たるまで扱ぎ胴軸を入れたら、扱ぎ胴(後)の蓋をしておきます。

塗料跡から分かる元の取り付け位置で、転落防止板(前)とベアリング・ケース(前)を仮固定します。

固定ボルトをある程度は締めますが、受網と扱ぎ歯の隙間を調整確認する必要があるので、この時点では本締めしません。

扱ぎ胴(後)と側板の隙間は取り付けたカラーにて大凡15㎜と決まるので、調整できるのは扱ぎ胴(前)と側板の隙間、そして扱ぎ胴(前)と扱ぎ胴(後)の隙間です。

扱ぎ胴(前)と側板の隙間が14㎜くらい、扱ぎ胴(前)と扱ぎ胴(後)の隙間が17㎜くらいになるように、扱ぎ胴(前)を摺動させて調整します。

ある程度均等調整でも構いません。

調整が出来たら、扱ぎ胴ボスのセット・ボルトをネジ・ロックを塗ってからしっかり締め付け、点検蓋を取り付けます。

受網と扱ぎ胴(ナミハ)の隙間を適正に調整するため、調整用の鉄板を用意します。

左写真は、厚み2.3㎜の鉄板を2枚重ねて接合したもので、厚み4.6㎜の調整板です。

弓金付近の最下点で、自作の調整板を入れて隙間を確認します。

間隙量は4~6㎜が適正ですが、扱ぎ胴を1周させて隙間が適正である事を確認出来たので良しとします。

新品の受網と新品の扱ぎ胴なので、比較的正確な間隙量で合わせれます。

扱ぎ胴のベアリング・ケースを塗料跡で分かる元の位置で合わせて取り付けているので、基本的には大丈夫なはずです。

しかし、確認は必ずしなければいけません。

確認出来たので、転落防止板(前後)とベアリング・ケース(前後)の固定ボルトを本締めします。

扱ぎ胴の交換はこれで終わりなので、後は確認しながら外した部品を順に組み付けていきます。





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