油圧計は、主にエンジンなどの潤滑油の油圧を知らせるもので、レシーバ・ユニット部(受信、指示部)と、センダ・ユニット部(検出、送信部)に分かれて構成されている。
レシーバ・ユニット部とセンダ・ユニット部は、主に次のように分かれる。
レシーバ・ユニット部…バイメタル式、交差コイル式、コイル式
センダ・ユニット部(センサ)…抵抗式、バイメタル式
◎油圧計の回路例とその作動(バイメタル-バイメタル式)
回路例におけるバッテリとIGスイッチ(キー・スイッチ)間は、フュージブル・リンクとセル・モータB端子を経由しているが、これを省略する。
エンジン始動前は、センダ・ユニットの作動接点は開いた状態である。
油圧が低い場合
エンジン始動後の油圧が低いときは、ダイヤフラムに掛かる油圧は低く、作動接点は軽く接触する程度である。
この状態で、レシーバ・ユニットとセンダ・ユニットのヒート・ワイヤに電流が流れる。
しかし、作動接点の接触圧力が小さく、僅かの通電時間でもヒート・ワイヤに熱が発生するので、バイメタルが湾曲し作動接点が開く。
このように、センダ・ユニットの作動接点が極めて短時間の電流で開くので、レシーバ・ユニットのバイメタル温度も上昇せず、僅かしか湾曲しないため指針の振れも小さい。
油圧が高い場合
エンジン高回転時など油圧が高いときは、ダイヤフラムに掛かる油圧が高く、作動接点は強く押し上げられながら接触している。
この状態で、油圧が低い場合と同様にセンダ・ユニットのバイメタルが湾曲するが、作動接点が強く押されているだけ長時間の通電になり、バイメタルの湾曲も大きくなるので、作動接点はすぐには開かない。
そして、レシーバ・ユニットのバイメタルは、センダ・ユニットのバイメタルと同じように熱を持ち湾曲するので指針が振れる。
センダ・ユニットでは、このようにある時間電流が流れ、バイメタルの温度が上がり、湾曲が大きくなると作動接点は開き、バイメタルが冷えれば再び作動接点は閉じるという動作を繰り返してる。
バイメタルとは、熱膨張係数の大きく異なる2種類の金属板を張り合わせたもので、一端を固定して熱を加えると他端が湾曲する特徴をもっている。