メカニカル・リレー(機械式継電器)は、励磁コイルと機械式接点で構成され、励磁コイルに直流電流を流して機械式接点をON/OFF制御するものである。
農業機械には、多くのメカニカル・リレーが使われており、トラクター、コンバインなどのバッテリ電源のものは直流で直流を制御し、乾燥機などの交流電源主体のものは、直流で交流を制御するメカニカル・リレーが多く使われる。
また、乾燥機などの制御盤のリレーには、無接点の半導体リレーが使われる事もある。
リレーの特徴
リレーの種類と接点
リレーには主にメカニカル・リレー、半導体リレー、ハイブリッド・リレーの3種類があり、農業機械ではメカニカル・リレーが多く使われている。
メカニカル・リレーは、励磁コイルと接点で構成された完全な機械式で、ヒンジ型やプランジャ型などがある。
半導体リレーは、発光ダイオードを内蔵し、サイリスタやトライアックなどの半動体を2次側に使い、光の入り切りで2次側を制御する無接点式である。
また、メカニカル・リレーより小型で性能が良く、トライアックはAC電圧を0Vクロス・スイッチで入り切りするので、火花が殆ど出ず、極力ノイズを抑えることができる。
ハイブリッド・リレーは、メカニカル・リレーと半導体リレーの良いところだけを組み合せたもので、半導体素子を使い光の入り切りで2次側を制御し、2次側に半動体と機械式接点を使用したものである。
リレーには駆動電圧や接点容量などにより多くのタイプがあるので、適切なものが使われている。
◎良く使われる単極単投式、メーク接点のメカニカル・リレーの作動(自動車ホーンの回路例)
①IG・スイッチをONにする。
②ホーン・スイッチを入れる。(押す)
③この時、ホーン・リレー内の励磁コイルには一定の電流が流れ電磁石となるので、接点付きの鉄片が吸い寄せられて、接点が閉じOn状態になる。
④接点が閉じると、ホーン低音と高音に電気が流れるので音が鳴る。
⑤ホーン・スイッチを切る。(離す)
⑥この時、ホーン・リレー内の励磁コイルへの電流が遮断されるので、接点付きの鉄片は元に戻り、接点は開きOff状態になる。
⑦接点が開くので、ホーン低音と高音に電気が流れなくなり音が止む。
…農業機械によく使われるDCモータの制御