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回転計の回路図と作動



回転計(エンジン・タコメータなど)は、磁石回転式、発電機式、交差コイル式、パルス式などがある。

表示パネルにはアナログ・メータとデジタル・メータがあり、回転計、速度計などに使われる方式は主に次のように分かれる。


アナログ・メータ…磁石回転式、発電機式、電気式(IC制御)、交差コイル式、パルス式(IC制御)

デジタル・メータ…電気式(IC制御)、パルス式(IC制御)


◎回転計の回路例とその作動(発電機式)

回転計の回路発電機式は、タコメータ部とジェネレータ部から構成されている。

タコメータ部は、可動コイル型の電圧部とダイオードでの整流回路で構成されていて、ジェネレータ部は所謂、交流発電機である。


ジェネレータ部は、マグネットであるロータがエンジンのギヤ・ケースからドリブン・ギヤを介して回され、回転速度に比例した電圧がステータ・コイルに発生するようになっている。

ジェネレータ部(エンジン側)からタコメータ部(メータ・パネル側)へは電気配線され、発生した交流電圧は、4個のダイオードで全波整流(直流電圧に変換)されて、可動コイル型のメータ部に電圧が掛かり指針が振れる。

指針の振れはジェネレータの発生電圧が高くなる程振れ、その発生電圧はエンジンの回転速度に比例して高くなることから、目盛を回転数で表示することによりエンジン回転数が分かる。



◎磁石回転式と交差コイル式の作動

磁石回転式は従来の農業機械で多く使われてきた方式で、メータ・パネル側で回転軸付きマグネット、指針の付いたロータ、トルクを調整するヘア・スプリング、目盛板、カウンタ(積算計)、そしてカウンタを駆動する歯車で構成されている。

エンジンのギヤ・ケースに取り付けられたドリブン・ギヤからフレキシルブル・ワイヤ(回転ワイヤ)を介して、回転軸付きマグネットを回転させ、生ずるロータのトルクとヘア・スプリングの制動力とつり合う事によって回転数を表示している。

交差コイル式は、エンジンのギヤ・ケースなどに取り付けられた回転センサがパルスを発生し、その周波数をメータ・パネルにある交差コイルが回転数に変換して表示している。

交差コイルは、マグネット回転子の外側に2つのコイルが90度ずらせて巻かれており、それぞれのコイルに流す電流の強さと方向を変える事により、その発生する合成磁界の方向によって回転子(指針)が作動する構造になっている。


回転センサからのパルス信号はロジックIC(論理集積回路)で回転数を演算し、交差コイルの各コイルに回転数に応じた電流の強さと方向を決める信号をメータ駆動用ICに送る。

メータ駆動用ICは、その信号を増幅して各コイルに電流を流し、その作る合成磁界の方向に回転子(指針)を振らせ回転数を表示している。



作成日:2008/3