今回は、クボタ・コンバインR1~SR型式までのワラ切刃の交換方法ついて記載します。
3条まではどの型式も殆ど同じですが、4条以上になると一般に両刃(三角刃)との兼用になります。
まだまだ現役で多く使われている型式ではありますが、長く使い続けるために消耗部品の交換は必ず必要になってきます。
ワラ切刃とは!?
ちなみに、コンバインに使われる刃物は他に刈取刃とカッタ刃がありますが、いずれも消耗品です。
必要工具と道具: 12㎜、14㎜ボックス・レンチ、ボックス延長ソケット(エクステンションバー )、12㎜メガネ・レンチ、潤滑剤
※ワラ切刃は刃物なので、作業中は手を切らないように気を付けましょう。
籾タンクと扱ぎ室カバーの間にある上部カバーを開けます。
排ワラ、カッタ切換レバーを「排ワラ」位置にします。
また、オーガ(アンローダ)付きはエンジンを始動して、オーガを少し上昇させます。
固定プレートを外します。
頭部14㎜のナット3本で固定されているので、これを外します。
このナットは軸径が8㎜でピッチが1.25㎜なので、一応は一般の頭部12~13㎜のナットでも代用できます。
スプリングと平座を落とさないように注意します。
固定プレートの三角形の部分と本体との隙間に、大きめのマイナス・ドライバなどを差し込んで起こすと簡単に外れます。
このように固定プレートを使ってワラ切刃を取り付ける方式は、R1~SR型式まで殆ど同じです。
ちなみにAR型式も殆ど同じですが、扱ぎ室カバーごと外さなければいけなかったりします。
摩耗したワラ切刃を外します。
ワラ切刃は頭部12㎜のボルトとナットでプレートに固定してあるだけなので、順番に外していきます。
屋根のある場所での作業ですが、この日は悪天候で横殴りの強い雨風に打たれました。
翌日、たった一日でワラ切り刃はこんなに錆びていました。
新品のワラ切り刃をきらしていて、この状態で一日放置してしまったためです…。
かなり摩耗しています。
指で刃先を触っても全く危険はないくらいです。
これでは扱ぎ室でワラが切れないので、受網が詰まり易くなり穀粒が漏下し難くなるので、扱ぎ胴に負担がかかります。
作業能率が悪くなります。
新品のワラ切刃です。
純正品ではありませんが、とても精巧です。
取付ボルト、ナット、スプリングは、出来るなら新品に交換したほうがいいと思います。
一度使用したボルトは、ネジピッチが広がってたり削れたりするなど、金属疲労して折れる可能性があります。
スプリングは潰れて平ワッシャみたいになったりします。
また、運転中に扱ぎ室にボルトやワラ切刃などの金属が落ちると、受網が破れたり、扱ぎ胴、扱ぎ歯が変形したりする可能性があります。
搬送スクリュが変形する恐れもあります。
左写真のように、固定プレートのツバ部分にワラ切刃の背側を当てて取り付けます。
全てのワラ切刃を、なるべく真っ直ぐ揃えて取り付けます。
最後は、固定プレートを本体に取り付けて完了です。
◎各部給油、点検箇所一覧表
R1~SR型式は、足元のカバーを外すと裏面に各部給油、点検箇所一覧表が記載してあります。(主に3条以上)
使用されるVベルト、各チェーンの適正な張り量、オイル交換などについて記載されています。
例えば排ワラチェーンの適正張り量は、左写真のようにダブル・ナット横のカラーが2~3㎜見えるくらいです。