今回は、三菱MMR60(ロビンRCO600)のキャブレータ掃除の手順を記載します。
エンジンが始動しない、始動しても調子が悪いなど不調の原因の多くは、キャブレータの詰まりによるものです。
キャブレータ掃除する前に↓↓↓
4サイクル・エンジンの故障診断とその対処
主に必要な工具、道具:10㎜ボックス・レンチ、12mmボックス・レンチまたはメガネ・レンチ、マイナス・ドライバ(6㎜平行刃)、プラス・ドライバ、ラジオ・ペンチ、プライヤ、キャブレータ・クリーナ(泡タイプ:エンジン・コンディショナ)、キャブレータ・クリーナ(液タイプ)、細い針金(0.5㎜くらい)、ウエス
ここでは、キャブレータ内とその各部品の掃除には、泡タイプのキャブレータ・クリーナを使い、ケーシングや各部品の洗浄には、液タイプのキャブレータ・クリーナを使いました。
また、ブレーキ・クリーナ(パーツ・クリーナ)でも洗浄出来ますが、洗浄後に水滴が付くのでお勧め出来ません。
当然ですが、コンプレッサがあれば泡タイプだけで十分です。
管理機エンジンに使われるキャブレータは殆どがフロート式です。
…フロート式キャブレータの詳しい分解掃除
左写真のように、エア・クリーナのケース・カバーが付いているところにキャブレータはあります。
エア・クリーナ・ケース・カバーを外し、エア・クリーナを外します。
エア・クリーナに被せてあるフィルタ(スポンジ)を外し、掃ってきれいにします。
※コンプレッサを使ってエア吹きするのが一番良いです。
燃料タンク・カバーを外したほうが作業し易いです。
燃料タンク・カバーはマグネットで留まっているだけです。
頭部10㎜正ネジナットを2つ外し、エア・クリーナ・ケース・ボディを外します。
ブリーザ・ホースをスペーサから外します。
左からガスケット、スペーサ、エア・クリーナ・ケース・ボディです。
※エア・クリーナ・ケース・ボディの裏側にガスケットがへばり付いています。
燃料コックは、キャブレータの左下辺りにあります。
燃料を止めます。
レバーを左右どちらでもよいので真横にします。
燃料ホースを外します。
ホース・バンドをプライヤなどで外してから、燃料ホースを外します。
キャブレータをゆっくり少しだけ引き出します。
この時、奥のガスケットを破らないように注意します。
そして、ガバナ・ロッドとロッド・スプリングを外します。
ラジオ・ペンチでロッド・スプリングを外し、ガバナ・ロッドは持ち上げて外します。
燃料コック内に溜まったゴミを取り出します。
ストレーナ・カップの留め金具(正ネジ)はプライヤを使うと楽に外せます。
左からストレーナ・カップ、ゴム・パッキン、フィルタです。
ストレーナ・カップとフィルタに、キャブレータ・クリ-ナを吹き付けておきます。
フロート・チャンバ・ケースを固定している頭部12㎜の正ネジボルトを外します。
ボルト・パッキンが付いています。
フロート・チャンバ・ケースを外します。
この時、ゴム・パッキン・を破らないように注意します。
ゴム・パッキンがへばり付いてくる場合は、マイナス・ドライバなどを使い少しづつめくるように外します。
メイン・ジェット(正ネジ)をマイナス・ドライバで外します。
フロートを外します。
まず、固定ピンをラジオ・ペンチで外します。
その後、フロートはゆっくり持ち上げるように外します。
ニードル・バルブも同時に付いてきます。
ニードル・バルブが付いていた穴に、キャブレータ・クリーナを吹き付けておきます。
左からメイン・ジェット、フロート、ニードル・バルブ、固定ピンです。
キャブレータ・クリーナを吹き付けておきます。
メイン・ノズル(正ネジ)をマイナス・ドライバで外します。
6㎜平行刃のマイナス・ドライバが必要です。
5㎜平行刃でも構いません。
左からメイン・ジェット、メイン・ノズルです。
キャブレータ・クリーナを吹き付けておきます。
パイロット・ジェット(正ネジ)とアイドル・アジャスト・スクリュ(正ネジ)を外します。
アイドル・アジャスト・スクリュにはスプリングが付いています。
左からキャブレータ本体、アイドル・アジャスト・スクリュ、パイロット・ジェットです。
キャブレータ・クリーナを吹き付けておきます。
メイン・エア・ジェットに泡タイプのキャブレータ・クリーナを吹き付けます。
左写真のように、メイン・ノズルを外した穴から泡が出るまでは、穴が通った事にはなりません。
出ない場合は、数分おいて再度吹き付けます。
次に、その横のスロー・エア・ジェットにも吹き付けます。
パイロット・ジェットが付いていた穴にキャブレータ・クリーナを吹き付けます。
左写真のように、メイン・ジェットを外した穴付近にあるスロー・ジェットから泡が出るまでは、穴が通った事にはなりません。
出ない場合は、数分おいて再度吹き付けます。
この穴は、スロー・エア・ジェット、ベンチュリ横の穴(スロー・ポート)、アイドル・アジャスト・スクリュの取付穴(アイドリング・ポート)にも繋がっています。
キャブレータ・クリーナを吹き付けて数分経過した後、細い針金で全ての穴を通します。
そして、再度キャブレータ・クリーナを吹き付けます。
全ての穴が通れば掃除完了です。
順次、液タイプのキャブレータ・クリーナで洗浄しながら組み付けて行きます。
燃料コックも同様に洗浄して組み付けます。
フィルタは燃料コック中心に正確に入れます。
キャブレータを組み付け終えたら、エンジンに取り付けます。
以後、スロー調整をします。
◎スロー調整の仕方
スロットル・レバーを一番閉じた位置にして、スロー・ストッパ調整ネジ(正ネジ)を締め、スロットル・レバーの当たり止めをします。
そして、アイドル・アジャスト・スクリュを一杯(軽く締まるまで)締めてから、約2回転戻す。
この後、エンジンをかけた状態(最低回転:アイドリング)でアイドル・アジャスト・スクリュをどちらかに回しながら、エンジン回転が一番高くなる位置に微調整して合わせます。
アイドル・アジャスト・スクリュを回す前に、エンジン回転が低過ぎてエンジンが停止するようなら、一旦スロー・ストッパ調整ネジを締めアイドリングを上げます。
エンジン音を聞いて判断すれば十分です。